「媒介契約書」は実は得点源!試験に出る3つのポイントをわかりやすく解説

「媒介契約書」は実は得点源!試験に出る3つのポイントをわかりやすく解説 宅建

勉強お疲れ様です!宅建試験の勉強、順調に進んでいますか?

毎日仕事や家事に追われていると、なかなか机に向かう時間が取れなくて焦ってしまうこともありますよね。私自身も働きながらの勉強だったので、その気持ちは痛いほどよくわかります。でも、1日10分でもテキストを開けば、必ず前に進んでいますから、あまり自分を追い込みすぎないでくださいね。

さて、今回のテーマは「媒介契約書の交付」です。

宅建業法の中でも、いわゆる「34条書面」と呼ばれる部分ですね。漢字ばかりで難しそうに見えますが、実はここ、試験では得点源にしやすいポイントなんです。

「契約書なんて、とりあえず作って渡せばいいんでしょ?」

そう思うかもしれませんが、宅建試験では「誰が?」「いつ?」「どんな時に?」という細かいルールが問われます。特に、重要事項説明書(35条書面)や契約書(37条書面)とごちゃ混ぜにしてひっかけ問題を作ってくることが多いんです。

今日は、初学者の方が間違えやすいポイントを整理して、スッキリ理解できるように解説していきますね。

媒介契約書(34条書面)ってそもそも何?

まず、全体像をつかんでおきましょう。不動産の売買や交換をお願いするとき、依頼者(お客さん)と宅建業者(不動産屋さん)の間で結ぶのが「媒介契約」です。

「私の家を売ってください!」「わかりました、頑張って買主さんを探します!」

この約束を形にしたものが媒介契約書です。なぜわざわざ書面にする必要があるのでしょうか。

口約束じゃダメなんですか?信頼関係があればいいような気もしますけど…。
良い質問ですね!でも、不動産取引は大きなお金が動きます。「売れたら手数料はいくら払う」「どんな条件で売る」といった内容があいまいだと、後で「言った、言わない」の大トラブルになりかねません。

だから宅建業法では、「後から依頼内容についてトラブルが発生しないように」、契約内容を書面にして渡すことを義務付けているんです。

【超重要】貸借(賃貸)の媒介には交付義務がない!

ここでいきなり、試験で一番出やすい超重要ポイントをお伝えします。

媒介契約書の作成・交付義務があるのは、「売買」または「交換」の媒介・代理の場合だけです。

つまり、「貸借(アパートを借りるなど)」の媒介では、媒介契約書を作る義務はありません。

これ、本当によく出ます。「宅地建物取引業者は、建物の貸借の媒介依頼を受けたときは、遅滞なく媒介契約書を作成しなければならない」という問題が出たら、即座に×(バツ)をつけられるようにしてください。

「借りる時も契約書もらったような気がするけど…?」と思うかもしれませんが、それは実務上のサービスや、別の契約書(賃貸借契約書など)の可能性があります。法律上の義務としては「貸借の媒介契約書」は不要なんです。

試験で狙われる「誰が・いつ・どうやって」

次に、細かいけれど試験によく出る「手続きのルール」を見ていきましょう。ここが35条書面(重説)や37条書面(契約書)と混同しやすい落とし穴です。

1. 記名押印するのは「宅建士」ではない!

ここが最大のひっかけポイントかもしれません。

ポイント
  • 重要事項説明書(35条) → 宅建士の記名押印が必要
  • 37条書面(契約書) → 宅建士の記名押印が必要
  • 媒介契約書(34条) → 宅建業者の記名押印でOK

そうなんです。媒介契約書には、「宅建士」のハンコは必須ではありません。

宅建業者(会社そのものや代表者など)が記名押印すればよいのです。試験問題で「媒介契約書には、専任の宅地建物取引士をして記名押印させなければならない」とあったら、それは間違いです。

2. 説明は誰がやってもいい

さらに、媒介契約書の内容を説明する義務についても注意が必要です。

実は、法的には「媒介契約書の説明義務」そのものは規定されていません。もちろん、トラブル防止のために説明するのが望ましい(国土交通省も推奨しています)ですが、重要事項説明のように「宅建士証を提示して説明しなければならない」という厳格なルールはないのです。

したがって、もし説明をするとしても、宅建士以外の従業員が行っても法律違反にはなりません。

3. 交付の時期は「遅滞なく」

媒介契約を締結したら、「遅滞なく(ちたいなく)」作成して交付しなければなりません。「遅滞なく」とは、「事情が許す限り早く」というニュアンスです。「直ちに(すぐに)」よりは少しだけ緩いですが、何日も放置してはいけません。

ちなみに、依頼者の承諾を得れば、紙ではなく電磁的方法(メールやWebダウンロードなど)で交付することも可能になっています。ここも最近の法改正ポイントなので、頭の片隅に置いておきましょう。

何が書いてあるの?記載事項のポイント

媒介契約書に何を書かなければならないかも、試験範囲です。ただ、全部を一言一句丸暗記するのは大変ですよね。まずは「ざっくり」イメージすることから始めましょう。

項目がいっぱいで覚えきれません…。全部覚えないとダメですか?
大丈夫です!すべて完璧に暗記しなくても、「トラブルになりそうなこと」が書いてあるんだな、と理解すればOKですよ。

主な記載事項は以下の通りです。サラッと目を通してみてください。

ポイント
  • 物件の所在・種類(どこの物件を売るのか)
  • 売買すべき価額または評価額(いくらで売り出すか)
  • ※業者が価格について意見を言うときは、その根拠を明らかにする必要があります。
  • 媒介契約の種類(一般・専任・専属専任のどれか)
  • 有効期間・解除に関する事項(いつまで頼むのか)
  • 報酬(仲介手数料)に関する事項(成功したらいくら払うか)
  • 指定流通機構(レインズ)への登録の有無
  • ※一般媒介で「登録しない」場合でも、「登録しない」と書く必要があります。
最近のトレンド:建物状況調査(インスペクション)

特に注意してほしいのが、平成30年の改正で追加された「建物状況調査(インスペクション)を実施する者のあっせんに関する事項」です。

中古住宅(既存建物)の売買の場合、「建物のコンディションをチェックする専門家(インスペクション業者)を紹介しますか?」ということを記載しなければなりません。

「あっせんする」のか「しない」のか。これを明確にすることで、後から「そんな調査があるなんて知らなかった!」というトラブルを防ぐわけですね。

標準媒介契約約款って?

テキストを読んでいると「標準媒介契約約款(ひょうじゅんばいかいけいやくやっかん)」という長い言葉が出てくることがあります。

これは簡単に言うと、国土交通省が作った「契約書のひな形」のことです。

国としては「みんなこのひな形を使ってね(推奨)」と言っていますが、必ずしも使う義務はありません。

ただし、もし使わない場合は、契約書に「この媒介契約は、国土交通省が定めた標準媒介契約約款に基づく契約ではありません」とわざわざ書かなければなりません。

逆に言えば、それさえ書けば独自の契約書を使っても宅建業法違反にはならない、ということです。

まとめ:今日これだけは覚えて帰ろう!

媒介契約書の交付について、いろいろとお話ししてきましたが、試験対策として「これだけは!」というポイントを絞りました。

今日の復習として、以下の3点だけはしっかり頭に入れておいてください。

ポイント
  • 貸借(賃貸)の媒介では、作成・交付の義務はない!(これが一番出ます)
  • 記名押印は「宅建業者」でOK!(宅建士である必要はない)
  • 作成・交付は「遅滞なく」行う!

この3つを覚えているだけで、過去問の選択肢がかなり切れるようになります。

媒介契約の部分は、実務でも最初に行う大切な手続きです。「自分が家を売る立場だったら、どんな書面がほしいかな?」と想像しながら勉強すると、無味乾燥な法律用語も少し身近に感じられるかもしれませんね。

毎日コツコツ勉強することが、合格への一番の近道です。焦らず、一つひとつ知識を積み重ねていきましょう。

次回は、さらに踏み込んで「35条書面(重要事項説明書)」との違いについて詳しく見ていきたいと思います。それでは、またお会いしましょう!