こんにちは。宅建の勉強、順調に進んでいますか?範囲が広くて用語も難しく、どこから手をつけていいか迷ってしまうこともありますよね。
私自身も勉強を始めたばかりの頃は、「これって常識で考えればわかるんじゃない?」と思って軽く流していた分野で、意外と過去問が解けずに焦った経験があります。特に今日取り上げる「広告・業務上の規制」は、一見すると当たり前のルールに見えるのですが、試験では「タイミング」や「例外」といった細かい部分が問われるんです。
でも、安心してください。ここは「なぜそのルールがあるのか」という背景を知ると、すっと頭に入ってきやすい分野です。今回は、初学者の方が特につまずきやすいポイントに絞って、一緒に整理していきましょう。
まずは、私たちが普段目にする不動産広告についてのルールです。宅建業法では、消費者が嘘の情報に騙されて損をしないよう、広告の内容や時期について厳しい決まりがあります。
「嘘をつかない」というのは人として当たり前ですが、試験対策としては「いつ」「どのような状態で」違反になるのか、というラインを正確に把握しておくことが大切です。
「実際よりもすごく良く見せる広告」は禁止されています。これを「誇大広告の禁止」といいます。
ここで一番重要なのは、「実際に取引が成立したか、損害が出たかは関係ない」という点です。たとえお客様がその広告を見て契約し、結果的に満足していたとしても、嘘や大げさな広告を出した時点でアウトなんです。
これらは、表示をした時点で直ちに違法となります。「結果オーライ」は通用しない、と覚えておきましょう。
ここが今回の最重要ポイントかもしれません。宅建業者は、宅地造成や建物の建築に関する「開発許可」や「建築確認」などがなされた後でなければ、広告をしてはいけません。
試験でよく狙われるのが、「申請中」の扱いです。「もうすぐ許可が下りる予定だから、申請中と書いて広告を出そう」これは、実務でもやりたくなってしまう心情ですが、宅建業法では違反になります。
許可や確認が下りて、計画が確定した後でないと、消費者に不測の損害を与える可能性があるからです。「見込み」での広告は一切できない、と心に留めておいてください。
広告を出すとき、自分がどの立場で取引に関わるのかをはっきりさせる必要があります。これを「取引態様の明示」といいます。
| 取引態様の種類 | 明示するタイミング |
|---|---|
| 売主・貸主・代理・媒介(仲介) | 1. 広告を行う時2. 注文を受けた時 |
ポイントは、広告の時だけでなく、お客様から「この物件お願いします」と注文を受けた時にも改めて伝える必要があるということです。うっかり忘れがちなポイントなので、試験でもよく問われます。
広告以外にも、宅建業者が業務を行う上で守らなければならないルールがいくつかあります。これらも「常識的にダメ」なことばかりですが、試験特有の言い回しや例外規定に注意が必要です。
宅建業者は、仕事で知った秘密を他に漏らしてはいけません。これは、宅建業者を辞めた後や、従業員が退職した後も一生続きます。「辞めたから時効」とはならないんですね。
ただし、絶対に喋ってはいけないわけではなく、例外があります。これを「正当な理由」といいます。
こういったケースでは、秘密を話しても守秘義務違反にはなりません。試験では「裁判での証言は守秘義務違反になるか?」といった形で聞かれることがあります。
「お金がないから契約できない」というお客様に対し、「手付金は後払いでいいですよ」「うちが貸しておきますよ」と言って契約を誘うこと。これは「手付の貸付け」や「信用の供与」と呼ばれ、固く禁じられています。
これらはすべて、契約の締結を不当に誘引する行為として禁止されています。ここでもやはり、「実際に契約したかどうか」に関わらず、誘引した時点で違反となります。
また、これに関連して、お客様が「手付金を放棄して契約を解除したい」と言った場合、業者は正当な理由なくこれを拒むことはできません。ただし、すでに業者が登記の移転など「履行に着手」している場合は、解除を拒否することができます。この「履行の着手」が正当な理由になる、という点も合わせて押さえておきたいですね。
最後に、さらっと確認しておきたい禁止事項をまとめます。どれも「そりゃダメだよね」と納得できるものですが、試験前の再確認として読んでみてください。
1. 不当な高額報酬の要求法律で決まった上限を超える報酬を請求してはいけません。たとえ相手が「お礼に多く払います」と言って受け取ったとしても違反ですし、受け取らなくても「要求した時点」で違反になります。
2. 断定的判断の提供「この土地は将来絶対に値上がりします」「絶対に損はしません」といった、将来の不確実なことについて断定的なことを言って誤解させる行為です。これも、実際には値上がりしたとしても、言った時点でアウトです。
いかがでしたか?細かい規定のように見えますが、「消費者を守るために、危険な行為は未然に防ぐ」というルールで一貫していますね。
最後に、今日の学習でここだけは持ち帰ってほしいポイントを整理しました。
この分野は、一度理解してしまえば得点源になりやすい場所です。「申請中はダメ」「やった時点でアウト」というキーワードを思い出しながら、ぜひ過去問にもチャレンジしてみてくださいね。
応援しています。一歩ずつ進んでいきましょう!

