【宅建】「知事」と「大臣」どっち? 免許申請のルールをわかりやすく解説

【宅建】「知事」と「大臣」どっち? 免許申請のルールをわかりやすく解説 宅建

こんにちは。毎日お仕事や家事でお忙しい中、勉強お疲れさまです。

「やらなきゃいけないのは分かっているけれど、法律の言葉が難しくてなかなか頭に入らない……」

そんなふうに悩んでいませんか?私自身も最初は、テキストを開くたびに知らない漢字の羅列に圧倒されて、何度も「今日はもういいや」と本を閉じてしまった経験があります。

でも、大丈夫です。宅建の勉強は、「法律用語を、日常のイメージに置き換えること」ができれば、驚くほどスッと頭に入ってくるようになります。

今日のテーマは、宅建業を始めるためのスタートラインである「免許の申請手続き」についてです。「誰に」「どうやって」申請するのかという、とてもシンプルな話なのですが、試験ではここがよく狙われます。丸暗記しようとすると混乱してしまいますが、理屈がわかれば「なんだ、そういうことか!」と思えるはずです。

一緒にゆっくり、整理していきましょう。

「免許」は誰からもらう? 2つのパターンを整理しよう

宅建業(不動産屋さん)を始めるには、免許が必要です。この免許、実は「お店(事務所)をどこに置くか」によって、誰からもらうかが変わります。

ここが最初のつまずきポイントなのですが、難しく考える必要はありません。シンプルに「活動エリアの広さ」で区別されていると考えてみてください。

事務所をいくつか作りたいんですけど、免許もお店の数だけ必要なんですか?
いい質問ですね!実は、免許は「会社(または個人)」ごとに1つあればOKなんです。ただし、「誰からもらうか」が事務所の場所によって変わるんですよ。
パターン1:1つの都道府県内だけに事務所がある場合

たとえば、「本店も支店も、すべて東京都内にある」というケースを想像してください。この場合、監視や指導をするのは、そのエリアのボスである「知事」だけで十分ですよね。

ですので、「都道府県知事免許」になります。

ポイント
  • 本店が大阪、支店も大阪 → 大阪府知事免許
  • 本店が北海道、支店も北海道 → 北海道知事免許

これはイメージしやすいと思います。「一つのシマ(都道府県)の中だけで商売するなら、そのシマの親分(知事)に挨拶する」という感覚です。

パターン2:2つ以上の都道府県にまたがって事務所がある場合

では、「本店は東京だけど、神奈川県にも支店を出したい」となったらどうでしょうか?

この場合、東京都知事だけの許可では、神奈川県での活動までカバーしきれません。かといって、神奈川県知事の許可だけでは東京がカバーできませんし、両方の知事にバラバラに申請するのは面倒ですよね。

そこで登場するのが、知事よりも偉い、国レベルのボスです。2つ以上の都道府県にまたがる場合は、「国土交通大臣免許」が必要になります。

試験に出る!「申請手続き」の落とし穴

さて、ここからが本番です。「誰の免許になるか」が分かったところで、次は「どうやって申請書類を出すか」という手続きの話です。

実は、宅建試験の過去問では、この「書類の出し方(ルート)」がひっかけ問題として非常によく出題されます。ここで多くの受験生が混乱してしまうのですが、落ち着いて整理すれば絶対に間違えなくなります。

知事免許の場合:とってもシンプル

まず、知事免許(1つの都道府県内のみ)の場合です。これは非常に単純で、「直接、知事に申請」します。

たとえば東京都知事免許が欲しいなら、東京都の担当窓口に書類を持っていけばOKです。これは直感的で分かりやすいですよね。

大臣免許の場合:ここが最大の注意点!

問題は、国土交通大臣免許の場合です。ここで、少し専門的な話をしますね。

「国土交通大臣」といっても、大臣本人が書類を一枚一枚チェックしているわけではありません。実際の実務は、全国をいくつかに分けたブロックごとの役所である「地方整備局」という場所が担当しています。ですので、正式には「主たる事務所(本店)を管轄する国土交通省地方整備局」に対して申請することになります。

えっ、急に難しい言葉が出てきました……。「チホウセイビキョク」に行けばいいってことですか?
そこが試験のヒッカケポイントなんです!ゴール(宛先)は大臣(地方整備局)なんですが、書類を提出する窓口が違うんですよ。

ここをしっかり覚えておいてください。大臣免許の場合、「書類は、本店がある都道府県の知事を『経由して』提出する」というルールがあるのです。

たとえば、「本店が東京、支店が神奈川」の場合で考えてみましょう。

ポイント
  • 免許の種類は? → 2つ以上の都道府県なので「国土交通大臣免許」
  • 誰に申請したい? → 本店(東京)を管轄する「地方整備局長」(大臣の代わり)
  • 書類はどこに出す? → 「東京都知事」の窓口に出す

つまり、「大臣宛てのラブレター(申請書)を、知事に渡して届けてもらう」というイメージです。直接、地方整備局に郵送したり持ち込んだりしてはいけません。必ず、地元の知事にお願いして取り次いでもらう、という流れになっています。

免許の種類 条件 申請先(宛名) 実際の提出窓口
知事免許 1つの都道府県内のみ 知事 直接、知事へ
大臣免許 2つ以上の都道府県 大臣(地方整備局長) 知事を経由して提出
もし、事務所の場所が変わったら?(免許換え)

勉強を進めていくと、「あとから事務所を増やしたり、移転したりしたらどうなるの?」という疑問が湧いてくるかもしれません。これを「免許換え(めんきょがえ)」と言います。

基本のルールは先ほどと同じです。「事務所の状況」が変われば、必要な免許の種類も変わります。

ポイント
  • 例1:知事免許 → 大臣免許へ東京だけでやっていたけれど、埼玉にも支店を出した。→ 東京都知事免許から、国土交通大臣免許へ「免許換え」が必要。
  • 例2:大臣免許 → 知事免許へ東京と埼玉でやっていたけれど、埼玉の店をたたんで東京だけにした。→ 国土交通大臣免許から、東京都知事免許へ「免許換え」が必要。

このように、事務所の配置が変わるたびに、適切な免許に取り換えっこする必要があります。この「免許換え」の申請手続きも、新しい免許をもらう時と同じルール(知事経由か、直接か)が適用されます。「新しい免許をくれる人に対して申請する」と覚えておけば、応用が利きますよ。

まとめ:今日覚えるのはこれだけ!

お疲れさまでした。少しややこしい部分もありましたが、頭の中は整理できましたでしょうか?

試験当日に焦らないために、今日これだけは覚えておきたいポイントをまとめました。寝る前にこれだけ見返して、安心してくださいね。

ポイント
  • 事務所が「1つの都道府県内」なら知事免許、「2つ以上」なら大臣免許。
  • 知事免許の申請は、そのまま「直接」知事へ。
  • 大臣免許の申請は、本店の知事を「経由して」行う。(ここが最重要!)
  • 大臣免許の実務的な宛先は「主たる事務所を管轄する地方整備局長」である。

「大臣免許は、知事を経由する」。このフレーズを一度口に出して言ってみてください。それだけで、この分野の得点率はグッと上がります。

今日は一つ、確実な知識が増えましたね。この調子で、焦らず一歩ずつ進んでいきましょう。