【宅建】「高度地区」と「高度利用地区」の違い、言えますか!?似た言葉をスッキリ整理!

【宅建】「高度地区」と「高度利用地区」の違い、言えますか!?似た言葉をスッキリ整理! 宅建

こんにちは!今日も宅建の勉強、本当にお疲れ様です。

テキストを開くと、似たような漢字が並んでいて「うわっ、もう無理かも…」とページを閉じたくなってしまうこと、ありませんか?特に都市計画法の分野は、日常生活であまり使わない言葉が出てくるので、イメージが湧きにくいんですよね。

私自身も勉強を始めたばかりの頃は、「高度地区」と「高度利用地区」の区別が全くつかず、過去問を解くたびに「どっちだっけ?」と頭を抱えていました。

でも、安心してください。これらは「言葉のイメージ」と「目的」さえ掴んでしまえば、実は得点源にしやすいラッキー問題に変わります。

今日は、多くの初学者がつまずきやすい「高度地区」「高度利用地区」「高層住居誘導地区」「特定街区」の4つについて、わかりやすく噛み砕いて解説していきます。試験に出るポイントだけを絞ってお伝えしますので、一緒に整理していきましょう!

似ているようで全然違う!「高度地区」と「高度利用地区」

まず最初に、一番の難所であるこの2つの違いから見ていきましょう。名前は似ていますが、中身は「正反対」と言ってもいいくらい違います。

「高度」ってついているから、どっちも高いビルを建てるための地区なんじゃないの?
そこが最初の落とし穴なんです!実は目的が全然違うんですよ。
1. 高度地区=「高さ」をコントロールする地区

高度地区の「高度」は、単純に建物の「高さ」のことだと思ってください。

この地区の目的は2つあります。

ポイント
  • 最高限度を定める場合:「これ以上高い建物を建ててはいけません」と制限して、日当たりや静かな環境を守るため(住宅地など)。
  • 最低限度を定める場合:「これより低い建物はダメです(もっと高いビルを建てて土地を有効活用してね)」と制限して、駅前などの発展を促すため。

つまり、環境を守るためのブレーキ役にもなれば、発展させるためのアクセル役にもなるのが高度地区です。

ここで試験によく出る重要なポイントがあります。それは、「最高限度または最低限度」のどちらか一方を定めればOKという点です。

試験ではよくこんなひっかけ問題が出ます。

これは×(バツ)です。「どちらも」定める必要はありません。「または」で良いのです。まずは「高度地区=高さのMaxかMinを決めるルール」と覚えておきましょう。

2. 高度利用地区=「中身(容積)」を詰めて大きくする地区

次に「高度利用地区」です。これは、「土地を高度(ハイレベル)に利用しよう!」という地区です。

イメージとしては、今まで小さな古い建物が密集していたエリアを再開発して、ドーンと大きなビルを建て、街を活性化させるような場所です。そのため、小さな建物がちょこちょこ建っていては困ります。

ここで定らめれるのは、以下の制限です。

ポイント
  • 容積率の最高限度・最低限度
  • 建ぺい率の最高限度
  • 建築面積の最低限度

ここで最大の注意点があります。高度利用地区では、「建物の高さ」の制限は定めません。

ここが一番のひっかけポイントです!「高度地区」は高さを決める。「高度利用地区」は容積率(中身)を決める。これが逆になって出題されることが非常に多いんです。

「高度利用地区は、街を大きく発展させるために、中身(容積率)をギチギチに詰めてOKにする地区」というイメージを持っておくと、高さ制限との混同を防げるかもしれませんね。

都心に人を呼び戻せ!「高層住居誘導地区」

3つ目は「高層住居誘導地区」です。なんだか長い名前ですが、漢字の意味をそのまま分解してみましょう。

「高層」の「住居」を建てるように「誘導(おすすめ)」する地区、という意味です。

なぜこんな地区が必要なの?

バブル崩壊後など、都心の土地が高すぎて人が住めなくなり、みんな郊外へ移り住んでしまった時期がありました(ドーナツ化現象なんて呼ばれますね)。でも、職場から遠い家は大変です。そこで、「都心に戻ってきて、職場の近く(職住近接)で便利に暮らしましょうよ」と促すために作られたのがこの地区です。

試験で狙われる「場所」のルール

この地区について覚えるべきは、「どこに指定できるか?」という点です。ここに強烈なひっかけポイントが潜んでいます。

【指定できる場所】第一種・第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域の中で、容積率が400%または500%の地域。

【指定できない場所(超重要!)】低層住居専用地域、中高層住居専用地域、田園住居地域、工業地域、工業専用地域。

えっ?「中高層住居専用地域」には定められないの?名前が似てるから、てっきりOKだと思ってました…。
そうなんです!そこが狙われます。「中高層住居専用地域」は、すでにそこそこの高さのマンションが建つエリアなので、わざわざ「誘導」する必要がないんです。

「住居」と名がついているのに、「〇〇住居専用地域」には一切定められない。ここを試験直前に確認しておくだけで、1点拾える可能性がグッと上がります。

超高層ビル街のイメージ!「特定街区」

最後は「特定街区」です。これはもう、具体的な景色をイメージするのが一番早いです。

新宿の超高層ビル群や、横浜のみなとみらいを思い浮かべてください。空に突き刺さるような高いビルと、その周りの広々とした空間。あれが特定街区です。

特定街区のキーワード

特定街区は、一般的な建築ルールの枠を超えた、特別なプロジェクトです。そのため、一般的な都市計画法や建築基準法の適用が一部なくなります(適用除外)。

ここで覚えるべきキーワードは以下の2つです。

ポイント
  • 高さの「最高限度」を定める(めちゃくちゃ高いビルを建てるため)
  • 「壁面の位置の制限」を定める(ビルとビルの間隔を空けるため)

みなとみらいのビル群を想像してみてください。超高層ビルのすぐ3メートル隣に別のビルがあったら、圧迫感がすごいですよね?そんなことはありません。ビルとビルの間は30メートルくらい離れていて、ゆとりある空間(公開空地など)が作られています。

そのゆとりを作るために、「壁面の位置の制限(これ以上道路側に壁を出してはいけません)」を必ず定めます。「特定街区=超高層ビル=壁の位置も制限してスカスカにする」と連想できればバッチリです!

本日のまとめ:ここだけ覚えて得点アップ!

似たような言葉が多くて混乱しやすい分野ですが、それぞれの「目的」と「NGワード」を整理すれば怖くありません。最後に、今日これだけは覚えて帰ってほしいポイントをまとめました。

【今日の覚えるべき4つのポイント】

ポイント
  • 高度地区:「高さ」のMaxまたはMinを決める。(容積率は決めない!)
  • 高度利用地区:「容積率」のMax・Minを決める。(高さは決めない!)
  • 高層住居誘導地区:「〇〇住居専用地域」には指定できない。(中高層もダメ!)
  • 特定街区:新宿・みなとみらい。「壁面の位置の制限」が必須。

この4つの区別がつくだけで、都市計画法の問題文が驚くほど読みやすくなります。最初は難しく感じるかもしれませんが、過去問で「あ、これはひっかけだ!」と気づけるようになると、パズルのように楽しくなってきますよ。

毎日コツコツと知識を積み重ねていけば、必ず合格ラインに届きます。焦らず、一つひとつ自分のものにしていきましょうね。