【宅建】都市計画事業の建築制限、覚え方のコツは「段階」にあり!初学者向け徹底整理

【宅建】都市計画事業の建築制限、覚え方のコツは「段階」にあり!初学者向け徹底整理 宅建

こんにちは!宅建の勉強、順調に進んでいますか?

今日は、宅建の法令上の制限の中でも、特に「言葉が難しくてイメージしづらい」と敬遠されがちな「都市計画事業(市街地開発事業・都市計画施設)」についてお話しします。

正直なところ、私も勉強を始めたばかりの頃は、「市街地開発事業?」「事業地?」「施行区域?」と似たような漢字ばかり並んでいて、テキストを見るだけで眠くなっていました。どれも同じに見えてしまうんですよね。

でも、ここを乗り越えると法令上の制限で確実に1点を拾えるようになります。実は、「工事がどの段階にあるか」さえ整理できれば、暗記するポイントは驚くほど少なくなります。

今日は難しい法律用語をできるだけ噛み砕いて、皆さんの頭の中に「工事の流れ」のイメージができるように解説していきますね。一緒に整理していきましょう!

都市計画事業とは?まずは全体像と「流れ」をつかもう

細かい規制の話に入る前に、まずは「そもそも何をするものなのか」をざっくり理解してしまいましょう。

都市計画事業というのは、住みよい街を作るための具体的な工事やプロジェクトのことです。大きく分けると、以下の2つがあります。

ポイント
  • 都市計画施設の整備に関する事業:道路、公園、下水道などを作る事業
  • 市街地開発事業:土地区画整理事業など、街を面的に新しく開発する事業

どちらも「街を良くする工事」ですが、この工事がいきなり始まるわけではありません。計画から実行までには、必ず順序があります。宅建試験では、この「時間の流れ」を意識することが非常に重要です。

試験に出る!4つのステップ

都市計画事業が進んでいく流れは、大きく以下の4段階でイメージしてください。

ポイント
  • 【予定区域】:「将来、ここで開発をするかもしれない」というエリアを指定する(市街地開発事業等予定区域)
  • 【都市計画決定】:「よし、ここに道路や公園を作るぞ」と正式に決まる(都市計画施設の区域・市街地開発事業の施行区域)
  • 【事業認可・承認】:「いよいよ工事を始めますよ」と国や県からお墨付きをもらう(ここから事業地と呼ばれる)
  • 【工事開始】:実際にショベルカーが入る

なるほど…。段階によって呼び名が変わるんですね。

そうなんです!特に重要なのが、3番目の「事業地」になった段階です。ここからは「工事本番」なので、ルールが一気に厳しくなるんですよ。

段階別!建築制限の許可ポイントを整理

さて、ここからが今日の本題であり、試験のヤマ場です。この事業の流れの中で、「自分の土地だけど、勝手に家を建ててもいいの?」という建築制限がかかります。

基本的には、「都道府県知事の許可」が必要になるのですが、段階によって「許可が必要な行為」や「例外(許可不要なケース)」が微妙に違います。ここがひっかけ問題の巣窟です。

わかりやすく表にまとめてみました。まずはざっと眺めてみてください。

段階・区域 建築・造成 非常災害の応急措置
①予定区域(まだふんわりした段階) 許可必要 不要
②施行区域・施設の区域(施行予定者が未定 許可必要(※緩い基準あり) 不要
②施行区域・施設の区域(施行予定者が決定済 許可必要 不要
③事業地(工事スタート!) 許可必要 許可必要!

この表の違いを、もう少し詳しく見ていきましょう。

①予定区域・②施行区域(計画段階)の制限

まだ工事が始まっていない①や②の段階では、「将来、工事の邪魔になるような建物は作らないでね」というスタンスです。

そのため、「建築物の建築」や「土地の形質の変更(造成)」をするには、知事の許可が必要です。ただし、以下のようなケースは許可不要(例外)です。

ポイント
  • 軽微な行為
  • 非常災害のため必要な応急措置
  • 都市計画事業の施行として行う行為

「災害時の応急措置」まで許可が必要だと言っていたら、復旧が遅れてしまいますよね。だから、この段階では許可はいりません。

「施行予定者が定まっていない」場合の特例

②の段階で、まだ「誰が工事をやるか(施行予定者)」が決まっていない場合は、少しルールが緩くなります。

もし許可を申請した建物が、「木造などの2階建て以下(地階なし)で、簡単に移転・撤去できるもの」であれば、知事は許可をしなければなりません

「まだ誰がやるかも決まってないし、すぐに壊せる軽い建物なら建てさせてあげよう」という配慮ですね。

「許可不要」になるわけじゃないんですね?

鋭いです!そこが重要です。「許可申請は必要だけど、申請されたら知事は断れない」というルールなんです。許可不要と混同しないようにしましょう!

ここだけは絶対暗記!③「事業地」の厳しさ

さて、一番の重要ポイントです。都市計画事業の認可・承認が下りて、その場所が「事業地」という名前になると、ルールが激変します。

事業地とは、もう「明日からブルドーザーが入ってきてもおかしくない場所」です。工事の邪魔になることは一切許されません。

事業地ならではの3つの特徴

事業地内では、以下の3点を必ず覚えてください。

ポイント
  • 「5トンを超える物件の設置・堆積」も許可が必要建築だけでなく、重い資材を置くことすら、工事の邪魔になるので許可制になります。これは事業地だけのルールです。
  • 非常災害の応急措置でも「許可が必要」これが最大のひっかけポイントです!他の区域では応急措置は許可不要でしたが、事業地内では例外なく許可が必要です。「災害時だろうが何だろうが、事業の妨げになることは一切ダメ!」という非常に強いメッセージです。
  • 買い取り請求ができる土地の所有者は、事業施行者に対して「もう私の土地を買い取ってくれ」と請求できます。厳しい制限で土地が使えなくなるので、その救済措置ですね。

【試験対策の合言葉】「事業地に入ったら、非常災害でも許可がいる!」

この例外の無さを試験委員はよく突いてきます。「非常災害のための応急措置であれば、事業地内であっても許可は不要である」という問題が出たら、即座に「×(バツ)」と答えられるようにしておきましょう。

その他の重要ポイント補足

最後に、周辺知識として知っておくと安心な点を2つ補足します。

誰が計画を定めるの?

市街地開発事業に関する都市計画は、規模によって決める人が違います。

ポイント
  • 原則:都道府県が定める
  • 例外(小規模なもの):政令で定める小規模なものは、市町村が定める

「原則は都道府県」と覚えておけばOKです。

都市計画施設はどこにでも作れる?

道路や公園などの「都市計画施設」は、都市計画区域のでも定めることができます。「道路が都市計画区域のラインでプツッと途切れる」なんてことはないですよね。必要があれば区域外にもまたがって指定できる、とイメージしておきましょう。

まとめ:今日の「これだけは持って帰って!」

お疲れ様でした!少し複雑な都市計画事業ですが、「段階」を意識するとスッキリしませんか?最後に、今日覚えるべきポイントを整理しました。

ポイント
  • 都市計画事業の流れは「予定区域 → 決定 → 事業地(認可後)」の順。
  • 予定区域や決定段階では、非常災害の応急措置は許可不要
  • 「事業地」になったら、非常災害の応急措置でも許可が必要(超重要!)。
  • 事業地では、5トンを超える物件の設置・堆積も許可が必要。
  • 施行予定者が未定の区域では、木造2階建て等の簡易な建物は、知事は許可をしなければならない(許可不要ではない)。

特に「事業地での非常災害」のひっかけ問題は、毎年のように受験生を悩ませます。ここを自信を持って答えられるだけで、他の受験生と差がつきますよ。

まずはこの「事業地の厳しさ」だけでもしっかり覚えて、過去問にチャレンジしてみてくださいね!応援しています。