【宅建民法】「請負契約」って何?注文住宅をイメージすれば一発で理解できます!

【宅建民法】「請負契約」って何?注文住宅をイメージすれば一発で理解できます! 宅建

こんにちは。宅建試験の勉強、毎日お疲れ様です。
民法のテキストを読んでいると、「売買」や「賃貸借」はなんとなくイメージできても、「請負(うけおい)」という言葉が出てくると、急に難しく感じてしまうことはありませんか?

私自身も勉強を始めたばかりの頃は、「請負って、工事現場の人のこと?」くらいの曖昧なイメージしか持てませんでした。
でも、実はこれ、私たちが「マイホームを建てる」ときや「リフォームを頼む」ときに使う、とても身近な契約なんです。

このブログでは、法律の専門用語が苦手な方でもスッと頭に入るように、具体的なストーリーを交えて「請負契約」の仕組みを解説していきます。
「なんだ、そういうことだったのか!」と納得しながら、一緒に得点源にしていきましょう。

「請負契約」とは?まずは全体像をイメージしよう

まずは、言葉の意味をしっかり固めるところから始めましょう。
請負契約とは、簡単に言うと「仕事を完成させることを約束し、その結果に対してお金を払う契約」のことです。

一番わかりやすい例は、「大工さんに家を建ててもらう」ケースです。
注文者(あなた)は、「立派な家を完成させてね」と依頼し、請負人(大工さん)は「わかりました、完成させます」と引き受けます。
ここで重要なのは、大工さんがどれだけ汗水流して頑張ったかではなく、「家がちゃんと完成したかどうか」がゴールだという点です。

「完成」と「報酬」のルール

請負契約の最大の特徴は、「仕事の完成」が義務であるということです。
途中で投げ出さず、最後までやり遂げて初めて、請負人は「お金(報酬)をください」と言えるようになります。

では、その報酬はいつ支払うのが正解でしょうか?
民法では、「仕事の目的物の引渡しと、報酬の支払いは同時履行(どうじりこう)」というルールになっています。

つまり、完成した家の鍵を受け取ると同時に、代金を支払うのが原則です。
「引渡し」と「支払い」はセット(同時)ですが、作業そのもの(家の建築)は、当然ながら支払いの前に終わっていなければなりません。
この時間の流れを整理しておくと、試験で時系列を問われたときも慌てずに済みますよ。

家が傾いていたら?「契約不適合責任」の出番です

さて、ここからが宅建試験でのハイライトです。
もしも、完成して引き渡された家が傾いていたり、雨漏りしていたりしたらどうなるでしょうか?

これは、契約の内容に合ったもの(まともな家)を引き渡せていないことになるので、「契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)」の問題になります。
以前は「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」と呼ばれていましたが、民法改正で名称と内容が変わりました。

注文者(あなた)は、ミスをした請負人に対して、次の4つの行動をとることができます。

注文者が言える「4つのわがまま」

ここが試験でよく問われるポイントです。
不良品を渡された注文者は、以下の4つの権利を持っています。

ポイント
  • 追完請求(ついかんせいきゅう)
    「直してください(修補)」と頼むことです。これが一番基本ですね。
  • 報酬減額請求
    「直せないなら、その分安くしてよ」と値引きを求めることです。
  • 損害賠償請求
    「雨漏りで家具がダメになったから弁償して」とお金を請求することです。
  • 契約の解除
    「こんな欠陥住宅じゃ住めないから、契約を白紙に戻す!」と契約を解消することです。

この4つの権利は、売買契約のルールが準用されています。
もし「契約不適合責任って、詳しくどういうことだけ?」と不安を感じる方は、【宅建試験】「契約不適合責任」の特約はここだけ見る!プロ対アマの重要ルールの記事でも解説していますので、あわせて確認しておくと理解が深まりますよ。

プロでも責任を負わない?「例外」のパターン

「家が傾いていたら、どんなときでも大工さん(請負人)の責任になる」……と言いたいところですが、実は例外があります。
ここを知っているかどうかが、合格者と不合格者を分けるポイントになるかもしれません。

注文者の「材料」や「指図」が悪かった場合

例えば、注文者であるあなたが、「安く済ませたいから、この腐りかけの木材を使って!」と材料を持ち込んだり、「柱を減らして部屋を広くして!」と無茶な指示(指図)を出したりした結果、家が傾いてしまった場合はどうでしょう?

この場合、さすがに大工さんを責めるのは酷ですよね。
民法でも、「注文者が提供した材料の性質や、注文者の指図によって不適合が生じた場合」は、注文者は先ほどの4つの権利(直しなさい、安くして、など)を主張できないことになっています。

「自分で悪い材料を持ってきたんだから、文句は言えないよ」という、とても常識的なルールです。

ただし!「知っていて黙っていた」ならアウト

しかし、さらにここから「例外の例外」があります。
もし、大工さん(請負人)が、「お客さん、この材料は腐っていて危険ですよ」と知っていたのに、わざと告げずにそのまま使った場合はどうなるでしょうか?

この場合は、たとえ原因が注文者の材料にあっても、請負人は責任を逃れることができません。
プロなら「これは危ないですよ」と止めるべきだからです。
法律用語では、ある事情を知っていることを「悪意(あくい)」と言いますが、このように「知っていたのに黙っていた」ようなケースでは保護されないことが多いです。

こうした「善意・悪意」といった独特の言い回しにまだ慣れていない方は、宅建民法の基礎!「善意・悪意」や「対抗する」など頻出の法律用語をわかりやすく解説の記事も参考にしてみてください。
用語の意味がわかると、問題文が驚くほど読みやすくなりますよ。

まとめ:今日はここだけ覚えましょう!

請負契約は、身近な「家の建築」や「リフォーム」をイメージすることで、ぐっと理解しやすくなります。
今日お伝えした内容の中で、試験当日にこれだけは持って行ってほしいポイントを整理しました。

ポイント
  • 請負契約のゴールは「仕事の完成」。報酬は引渡しと「同時履行」が原則
  • 完成物がダメだった場合、注文者は「追完・減額・賠償・解除」の4つが言える
  • 不具合の原因が「注文者の材料・指図」なら、請負人は責任を負わない
  • ただし、請負人がその不適当さを「知りながら告げなかった」ときは責任を負う

特に、「注文者のせいなら責任なし、でも知ってて黙ってたら責任あり」という流れは、過去問でもよく狙われるひっかけポイントです。
「もし自分が大工さんだったら?」「もし自分が注文した側だったら?」と想像しながら、知識を定着させていきましょう。

少しずつでも、確実に理解していけば必ず合格ラインに届きます。
今日の勉強が、あなたの合格への確かな一歩になりますように。