【宅建民法】連帯保証と連帯債務の「求償権」の違い!計算問題を攻略!

【宅建民法】連帯保証と連帯債務の「求償権」の違い!計算問題を攻略! 宅建

こんにちは!宅建試験の勉強は進んでいますか?民法の分野で、多くの初学者が「どっちがどっちだっけ?」と混乱してしまうのが、「連帯保証」と「連帯債務」の違いです。

漢字が似ているので、パッと見ただけでは同じようなものに見えますよね。私も勉強を始めた頃は、「どちらも借金のカタ代わりに返済するやつでしょ?」くらいの認識しかありませんでした。

しかし、宅建試験ではこの2つの「求償権(きゅうしょうけん)」の計算方法の違いが、合否を分けるポイントになることがあります。ここを曖昧にしたまま試験に臨むと、ひっかけ問題で足元をすくわれてしまうかもしれません。

そこで今回は、連帯保証と連帯債務の「求償権」に絞って、その違いと計算のルールをわかりやすく解説します。難しい法律用語も噛み砕いてお話ししますので、計算が苦手な方も安心して読み進めてくださいね。

連帯保証と連帯債務、それぞれの「計算のタイミング」さえ掴めば、実は得点源になる分野なんです!
まずは基本!「求償権(きゅうしょうけん)」ってなに?

本題に入る前に、そもそも「求償権」とは何かを確認しておきましょう。簡単に言うと、「私が代わりに払っておいたから、あとで私に返してね」と請求できる権利のことです。

例えば、あなたが友人の借金を代わりに返済してあげたとします。そのあとで、友人に対して「あのお金、返してよ」と言いますよね。これが求償権を行使している状態です。

宅建の民法では、この「あとで返して」と言える金額や条件が、立場(連帯保証人なのか、連帯債務者なのか)によって大きく異なります。ここが今回の最大のテーマです。

※求償権の基本的な仕組みや「代位弁済」については、こちらの記事(「代位弁済」と「求償」の仕組みを解説!)でも詳しく解説していますので、基礎から復習したい方は参考にしてみてください。

【違い①】連帯保証人の求償権:「我慢の限界」を超えてから

まずは「連帯保証人」同士の求償権について見ていきましょう。ここでのポイントは、「自分の負担分を超えるまでは、他の保証人に請求できない」という点です。

連帯保証人の「負担部分」とは?

連帯保証人が複数いる場合、債権者(貸した人)に対しては全員が全額を支払う義務を負っています。しかし、保証人同士の内部的な関係では、「頭割り(人数割り)」の負担部分があると考えます。

例えば、借金が1000万円で、連帯保証人が2人(Cさん、Dさん)いたとしましょう。この場合、内部的な負担割合は原則として平等なので、1人あたり500万円が「自分の責任エリア」になります。

計算してみよう!連帯保証の求償パターン

では、具体的なケースで計算してみましょう。

【事例】主たる債務者AがBから1000万円を借りました。CとDが連帯保証人になりました(負担部分は各500万円)。その後、CがBに「800万円」を弁済しました。

この時、CはDに対していくら求償できるでしょうか?

800万円払ったんだから、Dの負担分である半分(400万円)を請求できるのかな?
実は違うんです!ここが連帯保証の最大のひっかけポイントです。

連帯保証の場合、「自己の負担部分を超えた額」しか求償できません。Cさんの負担部分は500万円ですよね。800万円支払ったうち、500万円までは「自分の義務を果たしただけ」とみなされます。

つまり、計算式はこうなります。

弁済額(800万円) - 自己の負担部分(500万円) = 求償できる額(300万円)

CはDに対して、300万円しか請求できません。「自分の責任分(500万円)を溢れ出した分だけ、他の人に請求できる」とイメージすると覚えやすいですよ。

【違い②】連帯債務者の求償権:「1円でも払ったら」みんなで割り勘

次に、「連帯債務者」同士の求償権です。こちらは連帯保証とはルールが全く違います。ポイントは、「自分の負担分を超えていなくても、払った分だけ請求できる」という点です。

連帯債務は「みんなで借りた」イメージ

連帯債務は、保証人とは違い、メンバー全員が当事者として借金をしているイメージです。内部的には完全に「割り勘」の考え方が適用されます。

計算してみよう!連帯債務の求償パターン

こちらも具体例で見てみましょう。

【事例】A、C、Dの3人が連帯債務者として、Bから1200万円を借りました。負担割合は平等(1:1:1)とします。つまり1人400万円の負担です。その後、CがBに「300万円」だけ弁済しました。

この時、Cは他の2人(AとD)に求償できるでしょうか?

Cの負担部分は400万円です。今回払ったのは300万円なので、自分の負担分を超えていません。連帯保証のルールなら「求償できない(0円)」となりますが、連帯債務の場合は求償できます。

なぜなら、Cが300万円払ったことで借金が減り、AもDもその恩恵(借金が減るという利益)を受けているからです。だから、払ったその場から「みんなの分も払ったから割り勘ね」と言えるのです。

計算式はシンプルです。

弁済額(300万円) ÷ 人数(3人) = 1人あたりの負担額(100万円)

Cは、Aに対して100万円、Dに対して100万円を、それぞれ「今すぐ払って」と求償できます。(残りの100万円はC自身の負担分です)

連帯債務は、負担額を超えていなくても、他の人の負担割合に応じてすぐに請求できるのが大きな特徴です。
まとめ:今日の試験対策ポイント

連帯保証と連帯債務、それぞれの「求償」の違いは整理できましたか?最後に、今日の重要ポイントをまとめておきます。試験直前に見直すメモとして活用してくださいね。

ポイント
  • 連帯保証人の求償権
    • キーワードは「負担部分を超える」こと。
    • 自分のノルマ(負担分)を超えるまでは、他の保証人に請求できない。
    • 計算式:「払った額 - 自分の負担分 = 求償額」
  • 連帯債務者の求償権
    • キーワードは「負担割合に応じて」
    • 自分のノルマを超えていなくても、1円でも払えば請求できる。
    • 計算式:「払った額 × 相手の負担割合 = 求償額」

この「計算ルールの違い」を知っているだけで、民法の計算問題に対する苦手意識がぐっと減るはずです。「連帯保証は『超えたら』請求、連帯債務は『即座に』割り勘」と覚えておきましょう!

今日の学習が、あなたの合格への確かな一歩になりますように。少しずつ知識を積み重ねていきましょう!