【宅建試験】「接道義務」と「セットバック」を完全攻略!道路のルールをゼロから解説

【宅建試験】「接道義務」と「セットバック」を完全攻略!道路のルールをゼロから解説 宅建

こんにちは。宅建試験の勉強、順調に進んでいますか?

毎日仕事や家事に追われていると、なかなかテキストを開く時間が取れない日もありますよね。

私自身、勉強を始めたばかりの頃は「建築基準法」という言葉を聞くだけで、なんだか難しい漢字ばかりで気が滅入ってしまいました。

でも、この分野は私たちの生活にとても身近なルールが多いんです。

今日は、その中でも特に試験に出やすい「道路制限(接道義務・セットバック)」についてお話しします。

普段何気なく歩いている道にも、実は法律上の厳しいルールがあることをご存知でしょうか。

「どんな道路なら家を建てていいのか?」

この基本を知るだけで、街歩きの視点が変わり、記憶にも定着しやすくなりますよ。

焦らず、一つずつイメージしながら確認していきましょう。

まずは基本!「接道義務」とは何か?

宅建の勉強をしていると、「接道義務(せつどうぎむ)」という言葉が必ず出てきます。

漢字を見ると難しそうですが、意味はとてもシンプルです。

「建物を建てるための土地(敷地)は、幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない

これが原則のルールです。

なぜこんな決まりがあるのでしょうか。

想像してみてください。

もし、道路に全く接していない奥まった土地に家を建ててしまったらどうなるでしょう。

火事や急病人が出たとき、消防車や救急車が家の前まで入っていけませんよね。

避難経路を確保し、安全を守るために「道路にしっかりくっついている土地にしか家を建ててはいけませんよ」と決めているのです。

「道路」の定義と「2項道路」の特例

ここで一つ疑問が浮かびます。

「道路」なら何でもいいのでしょうか?

実は、建築基準法上の「道路」として認められるためには、原則として幅員(幅)が4m以上必要です。

「えっ、でも私の近所には、車がすれ違えないような狭い道がたくさんありますよ?」

そう思った方もいるかもしれませんね。

おっしゃる通り、日本には昔からある狭い道がたくさん残っています。

そこで登場するのが、試験によく出る「2項道路(みなし道路)」という例外ルールです。

これは、「幅は4m未満だけれど、昔から建物が立ち並んでいる道だから、特別に特定行政庁(地元の役所など)が指定して道路として扱いますよ」というものです。

この2項道路に指定されれば、たとえ狭くても「建築基準法上の道路」とみなされるため、そこに2m以上接していれば家を建てることができます。

「セットバック」で敷地が減る?試験の重要ポイント

さて、ここからが今日一番の山場であり、試験でも狙われやすいポイントです。

先ほどお話しした「2項道路」ですが、そのままでは狭くて危ないですよね。

将来的に街を整備していくために、少しずつ道を広げていく必要があります。

そこで適用されるのが「セットバック(後退)」というルールです。

セットバックの仕組みを理解しよう

2項道路に接している土地に新しく建物を建てる場合、道路の中心線から水平距離で2m下がった(後退した)線を、道路と敷地の境界線とみなします。

これがセットバックです。

元々の道幅が狭いので、「お互いの敷地を少しずつ後退させて、真ん中から2mずつ確保すれば、将来的には4mの道路になるよね」という考え方ですね。

ここで絶対に覚えておきたい試験対策ポイントが2つあります。

ポイント
  • 建築不可:セットバックした部分(道路とみなされる部分)には、建物はもちろん、塀や門も作ってはいけません。
  • 敷地面積不算入:建ぺい率や容積率を計算するとき、セットバック部分は敷地面積に含めることができません。

特に2つ目の「敷地面積に入れない」という点は、計算問題や正誤判定問題で非常によく出題されます。

「自分の土地なのに敷地として計算できないなんて!」と思うかもしれませんが、そこは「未来の道路」として提供しなければならない場所なのです。

道路内への建築制限と例外パターン

最後に、道路の中や上空に建物を建てられるか?というお話です。

原則として、道路内に建物を突き出して建てることはできません。

道路はみんなが通る場所ですから、邪魔になってはいけませんよね。

しかし、ここにも試験に出る「例外」があります。

以下の2つのケースだけは、例外的に道路内に建築することが認められています。

1. 地盤面下に設ける建築物

これはイメージしやすいと思います。

地下街や地下駐車場のことです。

これらは地面の下にあるので、道路の交通を妨げませんよね。

そのため、道路の地下部分には建築物を設けることができます。

2. 公益上必要な建築物

こちらは少し条件が厳しくなります。

公衆便所や派出所(交番)など、どうしてもみんなのために必要な建物です。

ただし、「交番だから勝手に建てていい」わけではありません。

以下の手続きが必要です。

ポイント
  • 特定行政庁が許可すること
  • その許可にあたって、建築審査会の同意を得ること

この「建築審査会の同意」というフレーズは、ひっかけ問題でよく「同意は不要である」といった形で出題されるので注意が必要です。

おまけ:私道の変更・廃止の制限

建物を建てるための道路は、実は「私道(個人の持ち物である道路)」でも構いません。

大きな分譲地などでは、私道がメインストリートになっていることもよくあります。

しかし、もしその私道の持ち主が「今日からこの道を使わせない!」と言い出したり、勝手に道をなくしてしまったらどうなるでしょうか。

そこに住んでいる人たちは、接道義務を果たせなくなり、建替えができなくなってしまいます。

そうならないように、特定行政庁は私道の変更や廃止を禁止したり、制限したりすることができるようになっています。

個人の持ち物であっても、公共性が高いものには制限がかかるということですね。

まとめ:今日の「これだけは覚えよう」

いかがでしたか?

道路の制限について、少しイメージが湧いてきたでしょうか。

細かい数字や用語が出てきましたが、まずは以下のポイントだけしっかり押さえておけば、過去問を解くときの手がかりになります。

今日の復習ポイントを整理しますね。

  • 接道義務:建物は原則、幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならない。
  • 2項道路:幅4m未満でも特定行政庁指定で道路とみなされるが、セットバックが必要。
  • セットバック部分:建物は建てられず、敷地面積にも算入できない。
  • 道路内の建築:原則禁止だが、地下街や、許可+同意を得た公衆便所・派出所はOK。

特に「セットバック部分は敷地面積に入れない」という点は、本当によく出ます。

街を歩いているとき、道路の端にある電柱や塀が少し下がっている場所を見つけたら、「あ、これがセットバックかな?」と思い出してみてください。

日常の風景と結びつけることが、合格への近道です。

今日も一つ、知識が増えましたね。

焦らずコツコツ、一緒に頑張っていきましょう。