こんにちは。毎日のお仕事や家事、本当にお疲れ様です。宅建試験の勉強は進んでいますか?
テキストを開くと、聞き慣れない法律用語がたくさん並んでいて、「うっ」となってしまう日もありますよね。私自身も最初は、テキストの厚さに圧倒されて、何度も閉じそうになりました。「こんなの本当に覚えられるのかな」と不安になるのは、みんな同じです。
でも、安心してください。宅建の勉強は、一つひとつの「ルール」の意味がわかると、急にパズルが組み上がるように面白くなってきます。
今日のテーマは「廃業の届出・みなし業者」です。
なんだか漢字ばかりで難しそうなタイトルですが、要するに「不動産屋さんがお店をたたむ時、どんな手続きが必要で、やりかけの仕事はどうするの?」というお話です。
ここは試験でも頻出の「点取り分野」です。整理してしまえば、確実に1点をゲットできるチャンスゾーンですので、肩の力を抜いて一緒に見ていきましょう。
宅建業(不動産屋さん)を始めるには免許が必要ですが、逆に辞める時も「辞めます」と報告しなければなりません。これを「廃業の届出」といいます。
もし、誰も何も言わずに勝手にお店を閉めてしまったら、免許を与えた知事や大臣(免許権者といいます)は、「あのお店、まだ営業しているのかな? それとも潰れちゃったのかな?」と管理ができなくて困ってしまいますよね。
だから、「こういう事情があったら、30日以内に届出をしてくださいね」というルールが決まっているのです。
この分野で試験官が聞いてくるポイントは非常に明確です。
この4つの組み合わせが、よくひっかけ問題として出題されます。
例えば「社長が亡くなった場合、誰が届け出るの? 本人は亡くなってるし…」みたいに考えればいいんですか?
その通りです! すごく良い視点ですね。「本人は手続きできないから、代わりに事情を知っている相続人がやるしかないよね」とイメージできれば、自然と答えが出てきますよ。
ここは文章で覚えるよりも、表で整理したほうが圧倒的に早いです。まずは、以下の表をざっと眺めてみてください。
| 理由(届出事由) | 誰が(届出義務者) | いつまでに(届出時期) | 免許失効時期 |
|---|---|---|---|
| 死亡 | 相続人 | 死亡を知った日から30日以内 | 死亡時 |
| 合併(会社が吸収された) | 消滅法人の代表役員 | 合併の日から30日以内 | 合併時 |
| 破産手続開始決定 | 破産管財人 | 決定日から30日以内 | 届出時 |
| 解散(合併・破産以外) | 清算人 | 解散の日から30日以内 | 届出時 |
| 廃業(自分でお店を閉める) | 本人 または 法人代表役員 | 廃業の日から30日以内 | 届出時 |
表を見ると、いろいろ書いてありますが、特に試験で狙われやすい「要注意ポイント」を2つに絞って解説します。
表の一番右側、「免許失効時期」を見てください。ほとんどの場合は「届出時」に免許が失効します。つまり、届け出るまでは一応免許がある状態です。
しかし、「死亡」と「合併」だけは特別です。
届出は後から行いますが(30日以内)、免許自体はその出来事があった瞬間に消えてしまうのです。試験では「死亡の届出をした時に免許が失効する」というひっかけ問題がよく出ます。これは「×」ですね。
会社や個人が破産してしまった場合、誰が届け出るのでしょうか?
「社長じゃないの?」と思いがちですが、正解は「破産管財人」です。破産管財人とは、裁判所から選ばれて、破産した会社のお金や財産を管理・整理する人のことです。
破産してしまった本人は、もう財産を管理する権限を失っています。だから、代わりに管財人が手続きをするんですね。「破産=管財人」とセットで覚えておきましょう。
なるほど。「合併」の場合は誰が届け出るんですか? 吸収した新しい会社の社長?
そこも間違いやすいんです! 新しい会社の社長ではなく、「消滅した(なくなった)会社の代表役員だった人」が届け出ます。「今までありがとうございました」と最後のお務めをするイメージですね。
次に、「みなし業者」という言葉についてお話しします。これは、「もう免許はなくなったけど、やり残した仕事だけは終わらせていいよ」と特別に認められた状態のことです。
例えば、あなたが家を買う契約をして、手付金も払ったとします。その翌日に、不動産屋さんの社長が急死してしまいました。
「はい、免許失効! 営業終了です! 引渡しはできません!」
なんて言われたら、困りますよね? お金も払っているのに、家が手に入らないなんてことになったら大変です。
そこで法律は、「相続人が、すでに契約している取引を終わらせる範囲内(引渡しや登記など)に限って、宅建業者とみなす」ことにしました。これが「みなし業者」です。
【ここが重要!】みなし業者は、あくまで「後片付け」専用です。「ついでに新しいお客さんと契約しちゃおう」というのは絶対にNGです。新規の契約はできません。
最後に、禁止事項と罰則について少し触れておきます。ここは常識的に考えれば「そりゃダメだよね」と分かる内容ですが、罰則の重さを知っておくと安心です。
免許を持っていないのに「不動産屋です」と看板を出したり(表示)、広告を打ったりすることは禁止されています。もちろん、実際に取引をするのもダメです。
かなり重い罪ですね。お客様の大切な財産を扱う仕事なので、無免許は厳しく罰せられます。
「俺は免許持ってるけど使ってないから、名前貸してあげるよ。君が代わりに営業しなよ」これも絶対に禁止です。これを「名義貸し」といいます。
宅建業の免許は、その人やその会社がちゃんとした能力を持っているから与えられたものです。他の人に貸していいものではありません。「名前を貸して営業させること」も、「名前を貸して広告させること」も両方禁止されています。
けっこう罰金が高いですね…。それだけ責任がある仕事ってことですね。
そうなんです。だからこそ、これから皆さんが取ろうとしている「宅建士」という資格には大きな価値があるんですよ。自信を持って勉強を続けましょう!
お疲れ様でした! 少し長くなりましたが、頭の中は整理できましたか?今日の記事で、これだけは覚えて帰ってほしいポイントをまとめました。
もし余力があれば、記事の真ん中にあった表を、チラシの裏紙にでも手書きで書いてみてください。「書く」という作業は、見るだけの数倍記憶に残ります。
「今日はこの表だけ覚えた!」それだけで、昨日の自分より確実に一歩前進しています。焦らず、一つずつ積み重ねていきましょうね。

