こんにちは。毎日勉強、本当にお疲れ様です。
宅建のテキストを開いて、「登録」とか「届出」とか似たような言葉が並んでいるのを見ると、ちょっと頭が痛くなってきませんか?私自身も勉強を始めたばかりの頃は、「え、これって同じ意味じゃないの?」「どっちがどっちだっけ?」と混乱してばかりでした。
でも、大丈夫です。このあたりは、一度整理してしまえば「確実に点数が取れる得点源」に変わる部分なんです。
今回は、宅建士証を手にした後の手続きである「変更登録」「登録の移転」「死亡等の届出」について、ゆっくり紐解いていきましょう。試験によく出る「ひっかけポイント」も紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
まずは、基本となる「変更登録」のお話からです。宅建試験に合格して登録を受けると、「宅地建物取引士資格登録簿」という名簿にあなたの情報が載ります。この名簿に載っている情報が変わったときは、「変更登録」という手続きをしなければいけません。
具体的に、何が変わったときに手続きが必要なのでしょうか?覚えるべき項目は、主に以下の4つです。
これらの変更があった場合、「遅滞なく(ちたいなく)」変更の登録を申請する必要があります。「遅滞なく」というのは、「事情が許す限り早く」というニュアンスです。
さて、ここからが試験対策として非常に重要なポイントです。実は、「宅建業者(不動産屋さん)」としての届出と、「宅建士(個人)」としての登録、この2つをごちゃ混ぜにして引っ掛けてくる問題がとても多いのです。
以下の2つのケースを比べてみましょう。
① 宅建士の住所が変わった場合
宅建士であるあなたの住所が変わりました。この場合、宅建士としての「変更登録」は必要です。しかし、あなたが勤めている宅建業者の免許には、専任の宅建士の「氏名」は載っていますが「住所」は載っていません。そのため、宅建業者としての「変更の届出」は不要なんです。
② 勤務先の支店(事務所)の住所が変わった場合
勤めている支店の場所が変わりました。宅建業者としては、事務所の所在地が変わるので「変更の届出」が必要です。しかし、宅建士の登録事項には「勤務先の商号・名称・免許証番号」はありますが、「勤務先の所在地(住所)」までは含まれていません。そのため、宅建士としての「変更登録」は不要となります。
少しややこしいですよね。簡単に整理すると、こうなります。
「自分の家の住所は大事だけど、会社の住所までは登録簿に載せてないんだな」とイメージしておくと良いかもしれませんね。
次に、「登録の移転」についてお話しします。これは簡単に言うと、「登録している都道府県を、引っ越し先の都道府県に変える手続き」のことです。
登録の移転は、誰でもいつでもできるわけではありません。条件はたった一つ。「登録している都道府県『以外』の都道府県にある事務所で働くことになったとき」です。
例えば、東京都で登録しているAさんが、大阪府の支店に転勤になったとします。このままだと、何か手続きが必要なときにわざわざ東京都知事に申請しなければならず、不便ですよね。そこで、登録先を「東京都」から「大阪府」へ移すことができるのです。
試験で問われやすい注意点がいくつかあります。
1. 義務ではなく「任意」
これが一番大事です。変更登録は「しなければならない(義務)」でしたが、登録の移転は「することができる(任意)」です。面倒なら、東京都登録のまま大阪で働いても法律違反ではありません。「移転しなければならない」という選択肢が出たら、すぐにバツをつけてくださいね。
2. 住所が変わっただけではダメ
単に「大阪に引っ越しました(仕事は東京のまま、あるいは無職)」というだけでは、登録の移転はできません。あくまで、「他県の事務所に従事すること」が条件です。
3. 事務禁止処分期間中はできない
もし何か悪いことをして「事務禁止処分」を受けている期間中は、登録の移転はできません。逃げるように登録先を変えることは許されない、ということですね。
少し応用的なお話ですが、もしAさんが「東京から神奈川へ引っ越し(住所変更)」をしていて、かつ「大阪へ転勤(勤務先変更)」になった場合はどうなるでしょうか?
Aさんが住所変更の手続きを忘れていた場合、いきなり大阪へ登録移転を申請しようとしても、「今の登録情報(東京の住所)」と「申請書(神奈川の住所)」が食い違ってしまいます。ですので、手順としては以下のようになります。
もし窓口で同時に行う場合でも、書類上はこの順番で処理されるようになっています。「今の登録情報を最新にしてからじゃないと、移転はできない」と覚えておけば安心です。
最後に、少しネガティブな話題ですが、死亡したり破産したりした場合の「届出」についてです。ここは「誰が」「いつまでに」届け出るのかが試験のツボです。
表で整理してみましょう。特に「破産」の場合に注目してください。
| 何があったか(事由) | 誰が届出するか(義務者) | いつまでに? |
|---|---|---|
| 死亡した | 相続人 | 死亡を知った日から30日以内 |
| 心身の故障(事務ができない) | 本人・法定代理人・同居の親族 | その日から30日以内 |
| 破産者になった | 本人 | その日から30日以内 |
| 刑罰を受けた・登録消除など | 本人 | その日から30日以内 |
宅建業者が破産した場合は「破産管財人」が届け出ますが、宅建士個人が破産した場合は「本人」が届け出なければなりません。ここを入れ替えて出題されることが非常に多いので、「宅建士が破産したら、本人が泣きながら届け出る」……なんてイメージで覚えてしまうのも手です。
また、届出の期限は基本的に「その日から30日以内」ですが、死亡の場合だけ「知った日から30日以内」となっているのもポイントです。相続人が死亡の事実をすぐに知るとは限らないからですね。
いかがでしたか?手続きの話は細かくて嫌になりますが、ポイントさえ絞れば怖くありません。今日の学習のまとめとして、以下の点だけはしっかり頭に入れておきましょう。
「今日はこれだけ覚えよう」と決めて、一つずつクリアしていけば大丈夫です。毎日コツコツと知識を積み重ねていくことが、合格への一番の近道になります。焦らず、あなたのペースで進めていきましょうね。

