皆さんは弥生会計で仕訳を起こす時、どのように取引データを入力していますでしょうか。
軽微な取引の時は手入力でも問題ないと思ういますが、会社が大きくなるにつれて取引量も増え、また、拠点が増加し部門を設定すると仕訳量も多くなってきて、手入力がとても煩雑になってきます…。
しかし、インポート機能を使うことで、仕訳データや振込データなどを一括で登録でき、業務効率を大幅に向上させることができます!
本記事では、弥生会計のインポート機能を活用するための基本的な流れと、実務で役立つポイントを詳しく解説します。また、インポート用の雛形とその応用を作成しましたので、是非ダウンロードして使ってみてください!
※本記事では、弥生会計デスクトップアプリでの操作を解説しております。弥生会計オンラインでは操作方法が異なる場合があるのでご注意ください。
インポート機能とは?
弥生会計のインポート機能は、CSVファイルを利用して、仕訳データやマスター情報を一括登録できる機能です。これにより、手作業による入力ミスを防ぎ、スムーズに会計処理を進めることができます!
CSVデータを活用できる主なデータは以下の通りです。
- 仕訳日記帳
- 総勘定元帳
- 補助元帳
- 残高試算表
- 固定資産台帳
- 勘定科目設定
今回は、仕訳日記帳のCSVインポート機能の活用方法を紹介します。
インポートの基本手順
インポート機能を使う際の基本的な流れを説明します。
インポート用データを準備
まず、弥生会計のフォーマットに沿ったCSVファイルを作成します。
CSVファイルの各列に情報を入力していき、それぞれ対応したものが仕訳データとして弥生会計に取り込まれる仕組みになっているのですが、いきなり何の手掛かりもなくデータを作っていくのは大変ですよね…。
という訳で、インポート用の雛形を作成しました!
ファイルを開くとこんな感じで、入力用のフォーマットが現れます。

2行目に「必」とあるものは、入力が必須の項目です。ここが空白になっていると、インポートの際にエラーが出てしまうので注意してください。
各列の詳細は以下の通りです。番号が赤字のものは、必須のものを含めて入力推奨の項目です。
部門別会計を採用している場合には、借方貸方の部門も入力するようにしてください。
列番号 | 必須か否か | タイトル | 内容 |
---|---|---|---|
1 | 必須 | 識別フラグ | 仕訳の識別番号を半角数字で記述。 仕訳日記帳:2000 振替伝票(1行):2111 振替伝票(複数行) 1行目:2110 間の行:2100 最終行:2101 |
2 | 伝票№ | 任意 | |
3 | 決算 | 空白:通常の仕訳(区切り文字のカンマは必要) 中決:中間決算仕訳 本決:本決算仕訳 | |
4 | 必須 | 取引日付 | (例)2025年4月1日の場合、次のいずれかで記述。 「20250401」「2025/04/01」「2025/4/1」「R07/04/01」「R07/4/1」 |
5 | 必須 | 借方勘定科目 | 勘定科目を入力。 弥生会計に登録されている文字列と異なる場合は、 インポートの際にマッチング設定をする。 |
6 | 借方補助科目 | 同左。 | |
7 | 借方部門 | 同左。 | |
8 | 必須 | 借方税区分 | 借方勘定科目がない場合でも必須。 |
9 | 必須 | 借方金額 | 税込金額を入力。 |
10 | 借方税金額 | 空欄でOK(自動計算されます) | |
11 | 必須 | 貸方勘定科目 | 勘定科目を入力。 弥生会計に登録されている文字列と異なる場合は、 インポートの際にマッチング設定をする。 |
12 | 貸方補助科目 | 同左。 | |
13 | 貸方部門 | 同左。 | |
14 | 必須 | 貸方税区分 | 借方勘定科目がない場合でも必須。 |
15 | 必須 | 貸方金額 | 税込金額を入力。 |
16 | 貸方税金額 | 空欄でOK(自動計算されます) | |
17 | 摘要 | 半角64桁まで。 | |
18 | 番号 | 空欄でOK。 | |
19 | 期日 | (例)2025年4月1日の場合、次のいずれかで記述。 「20250401」「2025/04/01」「2025/4/1」「R07/04/01」「R07/4/1」 空欄でOK。 | |
20 | 必須 | 取引タイプ | 取引タイプを0~3の数字で記述。 0:仕訳データ 1:出金伝票データ 2:入金伝票データ 3:振替伝票データ |
21 | 生成元 | 空欄でOK。 | |
22 | 仕訳メモ | 半角180桁まで。 | |
23 | 付箋1 | 0は付箋なし。 1~5で設定された付箋を入力。 | |
24 | 付箋2 | 0は付箋なし。 1~5で設定された付箋を入力。 | |
25 | 必須 | 調整 | 基本「no」でOK。 |
データをCSV形式で保存
入力が終わったら「CSV (カンマ区切り)」形式で保存します。
添付のファイルでは、左上の「CSV出力」ボタンを押すと、デスクトップにCSVファイルに変換したものが出力されます!
弥生会計にデータをインポート
- 弥生会計を起動
- 仕訳日記帳を開く
- [ファイル] → [インポート] → [仕訳データ] を選択
- インポートするCSVファイルを指定
- インポートしたデータを確認し、問題なければ完了!

インポート時の注意点
インポート機能を使用する際の注意点をまとめました。
データ形式の統一
- 正しい日付の形式を使用する。(例:「2025/04/01」等)
- 金額はカンマなし(例:100000)で入力する。
- 科目名は、事前に登録されているものと極力一致させる。
⇒インポート時に科目マッチング機能を使いますが、登録ミスを減らす為、極力一致させた方が良いでしょう。
インポート前にバックアップを取る
誤ったデータをインポートすると修正が大変です。インポート前にバックアップを取ったり、付箋列や仕訳メモ列を活用して、ミスがあった時に対応できるようにしましょう。
インポート時のエラー対策
インポートした際、フォーマットに誤りがあった場合には、どの部分でエラーがあったのかを教えてくれるテキストファイルが生成されます。
私が実務上で良く発生していたエラーは以下のようなものがありました。
- 必須科目が入力されていない。
- ファイルの形式が、「CSV(カンマ区切り)」で保存されていない。
- 識別フラグに誤りがある。
⇒振替伝票で1行目なのに「2101」となっていた。 - 取引日付の形式に誤りがある。
⇒「2025.04.01」となっていた。 - 取引タイプに誤りがある。
振替伝票で「0」となっていた。 - 出力したい範囲の下の行に不要な文字が入っていた。
⇒不要な文字が入力されていると、「インポートする行」と認識されてしまい、必須科目が入力されていないエラーが発生してしまいます。
便利な応用例
ひな型を普段使っているファイルと組み合わせることで、仕訳を半自動的に出力できるようになります。今回は請求書と組み合わせて、書類作成と同時に仕訳を出力できる仕組みを作成してみました!

請求書にデータを入力すると…、

仕訳用のシートにデータが転記されます!
後はボタンを押して、弥生会計にインポートすれば、請求書を作るのと同時に仕訳を出力することができました!
まとめ
いかがでしたでしょうか。弥生会計のインポート機能を活用すれば、データ入力の時間を大幅に削減し、業務の効率化が図れます。
最初はデータの準備やフォーマットの調整に戸惑うかもしれませんが、活用できれば大幅な時間短縮が可能で、日々の経理業務が格段に楽になります!
業務の効率化を進める第一歩として、ぜひ本記事を参考に、弥生会計のインポート機能を試してみてください!