こんにちは!宅建試験の勉強、順調に進んでいますか?
法律の勉強を始めたばかりだと、「漢字が多くて読むだけで疲れる…」なんてこと、よくありますよね。
私自身も最初はテキストを開くたびに、「これ、日本語なの?」と頭を抱えていました。特に今日お話しするテーマは、漢字がずらりと並ぶ「免許の基準(欠格事由)」です。
「欠格事由(けっかくじゆう)」なんて言葉、普段の生活ではまず使いませんよね。
でも、安心してください。この分野は、言葉の難しさに反して、「理屈さえわかれば得点源にしやすい」ラッキーな分野なんです。
今日は、難しい条文を丸暗記するのではなく、「どういう人が宅建業の免許をもらえないのか」というイメージを膨らませながら、試験によく出るポイントを一緒に整理していきましょう。
まずは、言葉の意味をざっくり理解してしまいましょう。
宅建業(不動産屋さん)を始めるには、国や県から「免許」をもらう必要があります。でも、誰にでもホイホイと免許をあげてしまうと、どうなるでしょうか?
そうです。大切なお客さん(消費者)を守るために、「こういう事情がある人には、免許をあげませんよ」というブラックリストのような基準があります。
この「免許をあげられないNGリスト」のことを、「欠格事由(けっかくじゆう)」と呼ぶのです。
試験では、「この人は免許を受けられますか? 受けられませんか?」という○×クイズ形式でよく出題されます。
NGリストの項目はたくさんあるのですが、やみくもに覚える必要はありません。大きく分けると、以下の3つのグループに整理できます。
基本的には、「この人に不動産取引を任せても大丈夫かな?」という視点で見ていくと、答えが見えてきます。では、試験で特によく問われるポイントを具体的に見ていきましょう。
ここが一番の頻出ポイントであり、初学者が最初に混乱しやすい場所です。「悪いことをしたら全員ダメ!」と思いきや、実はそうではありません。
法律は、「どんな悪いことをしたか」と「どれくらい重い罰だったか」の組み合わせで判断します。
「禁錮(きんこ)」や「懲役(ちょうえき)」、「死刑」といった重い刑罰を受けた場合は、どんな理由であってもアウトです。(※執行猶予がついている場合を除く)
罪名に関係なく、「刑務所に入るレベルの罰」を受けたら、宅建業の免許は受けられません。そして、刑務所から出てきたあとも、すぐに免許がもらえるわけではなく、「刑が終わってから5年間」は待機期間となります。
ここが少しややこしいのですが、「罰金刑」の場合は、「なんの罪で罰金になったか」によって結論が変わります。
罰金刑で免許がNGになるのは、以下の3つのカテゴリーに関連する犯罪だけです。
これらで罰金刑を受けた場合は、先ほどと同じく「刑が終わってから5年間」は免許が受けられません。
また、「過失傷害罪」のように、わざとではなく「うっかり」人に怪我をさせてしまって罰金になった場合も、免許は受けられます。宅建業で怖いのは「意図的に悪いことをする人」や「暴力を振るう人」なので、うっかりミスでの罰金ならセーフ、というイメージを持っておくとよいでしょう。
次に多いのが「破産者」に関する問題です。
自己破産をして「破産手続開始決定」を受けると、その時点では免許を受けることができません(欠格となります)。お金の管理で失敗してしまった状態なので、高額な不動産取引を任せるのは不安だからです。
しかし、ここで非常に重要な特例があります。
先ほどの刑罰の話では「終わってから5年間待たないといけない」というルールがありましたが、破産者の場合は「5年待つ必要」がありません。
借金が免除されるなどして「復権(ふっけん)」という状態になれば、その次の日からすぐに免許を受けることができます。
「悪いことをしたわけではないから、立ち直ったらすぐ復帰させてあげよう」という温情があるのかもしれませんね。
すでに宅建業者だった人が、悪いことをして「免許取消処分」を受けた場合です。
この場合は、反省期間として「取消しの日から5年間」は再び免許を受けることができません。これはなんとなくイメージしやすいですよね。
少し細かいですが、ここもよく問われます。
悪いことをして「免許を取り消しますよ」という通知(聴聞の通知)が来たあとに、「取り消されるくらいなら、自分で辞めます!」といって、急いで廃業届を出すケースがあります。これを「駆け込み廃業」といいます。
もしこれで「自分から辞めたから、免許取消処分は受けてないよ! だからすぐまた免許ちょうだい!」なんてことが通ったら、ズルいですよね?
だから法律では、「聴聞の通知が来たあとに廃業した場合も、やっぱり5年間は免許を受けられない」と決まっています。逃げ得は許さない、という厳しいルールなんですね。
最後に、法人の場合の注意点をお伝えします。
会社が免許をもらう場合、その会社の「役員」の中に一人でも欠格事由に該当する人がいたら、その会社自体が免許を受けられません。
例えば、社長は立派な人でも、非常勤の取締役Aさんが過去に傷害罪で罰金を受けてから3年しか経っていなかったら…?その会社はアウトです。
ここでいう「役員」には、正式な取締役だけでなく、「相談役」や「顧問」などで、会社に強い支配力を持っている人も含まれます。「名前だけの役員だから関係ない」という言い訳は通用しないのです。
一方で、「支店長(政令で定める使用人)」や単なる「専任の宅建士」が欠格事由に該当していても、その人を交代させれば会社自体は免許を受けられる場合があります。「役員がダメなら会社ごとアウト」という点だけ、しっかり押さえておきましょう。
お疲れ様でした!いろいろなルールが出てきましたが、最初から全部を完璧にする必要はありません。まずは、試験で繰り返し問われる「超重要ポイント」だけを頭に入れておきましょう。
今日の内容をギュッと凝縮すると、以下のようになります。
【今日の復習メモ】
この5つのポイントが頭に入っていれば、過去問の多くの選択肢を「これは〇、これは×」と判断できるようになります。
最初は「複雑だなあ」と感じたかもしれませんが、こうやって整理してみると、「悪い人はダメ」「立ち直ったらOK」というシンプルな基準が見えてきたのではないでしょうか。
この調子で、一つひとつ「なるほど!」を積み重ねていきましょう。焦らずコツコツ続けていけば、必ず合格ラインは見えてきますよ。

