勉強お疲れ様です。宅建試験の勉強を始めてみると、「普段聞き慣れない言葉」と「なんとなく知っている言葉」が入り混じっていて、混乱してしまうことってありますよね。
今回は、不動産屋さんが営業するために必要な「免許」の効力と、その証明書である「免許証」の手続きについて解説します。
ここを整理できると、ひっかけ問題に強くなりますよ。肩の力を抜いて、一つずつ確認していきましょう。
まず最初に、法律上の「免許」と、手元にある「免許証」の違いを整理しておくと、あとの話がスムーズに入ってきます。
少し極端な例えですが、以下のようにイメージしてみてください。
試験では、「何が変わったら、何をしなければならないか」が問われます。
「データベース(名簿)の内容が変わったから、変更を届け出る」のか。「賞状(免許証)の記載内容が変わったから、新しいものに書き換えてもらう」のか。
この区別がつくと、丸暗記しなくても答えが導き出せるようになります。
まずは、営業許可そのものである「免許」の有効期間についてです。
これはシンプルに覚えやすい数字ですので、確実に得点源にしていきましょう。
宅建業の免許の有効期間は5年間です。一度免許を取ればずっと有効なわけではなく、5年ごとに更新する必要があります。
では、更新したいときはいつ手続きをすればいいのでしょうか?
この「90日から30日前」という数字は、試験でよく問われます。「満了日まで」ではない点に注意が必要です。余裕を持って手続きをしてね、ということですね。
ここで一つ、よくある疑問が出てきます。
申請者のミスではなく、審査側の事情で遅れている場合に、営業できなくなるのは困りますよね。そのため、処分が下りるまでは「従前の免許の効力を有する」という救済措置があるのです。
そして、無事に更新されたあとの新しい有効期間は、「前の免許の満了日の翌日」から5年間となります。手続きが遅れた日数分だけ期間がズレ込むわけではない、という点も頭の片隅に置いておきましょう。
ここからが今日の本題であり、多くの受験生が混乱しやすいポイントです。「変更の届出」と「免許証の書換え交付申請」の違いをしっかり区別しましょう。
まず、役所のデータベースである「宅建業者名簿」に載っている重要な情報が変わった場合、30日以内に届出が必要です。
名簿には以下の情報などが載っています。
これらに変更があったら、「役所さん、データが変わりましたよ」と届け出るわけです。
一方で、「免許証の書換え交付」は、手元にある「免許証(賞状)」の記載内容が変わったときに行う手続きです。
免許証に記載されているのは、以下の4つだけです。
ここで重要なことに気づきましたか?実は、「専任の宅建士の氏名」は、免許証には書かれていないのです。
では、具体例で考えてみましょう。お店の「専任の宅建士」が辞めて、新しい人に代わったとします。
このとき、必要な手続きはどうなるでしょうか?
この違いを理解しておくと、正誤判定の問題で迷わなくなります。「名簿」と「免許証」の記載項目のズレを意識することが、攻略の鍵です。
最後に、免許証をなくしたり、汚してしまったり、あるいは廃業したりしたときのルールを確認します。ここも「添付が必要かどうか」「いつまでにやるか」が問われます。
免許証を紛失したり、汚してしまったりした場合は、再交付の申請ができます。再交付申請は、法律上「しなければならない」という義務になっています。
ポイントは、汚損(汚れた)や破損(破れた)の場合です。手元にボロボロになった免許証が残っているわけですから、再交付を申請するときは「その汚損・破損した免許証」を添えて提出しなければなりません。
「新しいのをあげるから、古いやつは返してね」ということですね。
免許の有効期間が切れたり、免許を取り消されたりした場合は、免許証を返さなければなりません。これを「返納」と言います。
返納が必要な主なケースとタイミングを整理します。
| ケース | タイミング | 備考 |
|---|---|---|
| 免許取消処分を受けたとき | 遅滞なく | 悪いことをして取り消された場合など |
| 亡失した免許証を発見したとき | 遅滞なく | 再交付を受けた後に、古いのが出てきたら古い方を返す |
| 廃業等の届出をするとき | 届出と同時に | お店を畳むときなど |
ここで注意したいのは、期限の表現です。変更の届出は「30日以内」と具体的な数字が決まっていましたが、免許証の返納や再交付は「遅滞なく(すぐに)」となっています。
「30日以内に返納しなければならない」という選択肢が出たら、それは×(バツ)です。細かい言葉の使い分けですが、ここも試験ではよく狙われます。
お疲れ様でした。「免許」と「免許証」の違い、そしてそれに伴う手続きのルール、少しイメージできたでしょうか。
今日覚えた知識を定着させるために、以下のポイントだけ最後に確認しておきましょう。
特に「専任宅建士の変更」に関するひっかけ問題は、過去に何度も出題されています。「免許証には宅建士の名前は載っていない」という事実を思い出せれば、きっと正解できますよ。
まずはこのポイントだけでも、今日しっかり頭に入れておいてくださいね。一歩ずつ、確実に合格へ近づいていきましょう。

