「専任」と「専属専任」なにが違う?媒介契約のルールを分かりやすく解きほぐします!

「専任」と「専属専任」なにが違う?媒介契約のルールを分かりやすく解きほぐします! 宅建

こんにちは! 毎日の勉強、本当にお疲れさまです。テキストを開くと、見慣れない法律用語が並んでいて、「うっ、なんだか難しそう…」と少し気持ちが引いてしまうこと、ありませんか?

私自身も勉強を始めたばかりの頃は、漢字だらけのページを見るだけで眠くなっていました。でも、今日お話しする「媒介契約(ばいかいけいやく)」は、私たちが将来「家を売りたい」「家を買いたい」と思ったときに直結する、とても身近なルールなんです。

宅建試験では、ここは「絶対に落としてはいけない得点源」と言われています。なぜなら、数字やルールがはっきりしていて、一度整理してしまえば迷わなくなるからです。

今日は、この媒介契約の「3つの種類」と「それぞれの違い」を、初学者の方でもイメージしやすいようにゆっくり解説していきます。焦らず、一つずつ頭の中の引き出しにしまっていきましょう。

そもそも「媒介契約」ってなに?

まずは言葉の意味から整理しましょう。「媒介(ばいかい)」と聞くと難しく感じますが、要するに「仲介(ちゅうかい)」のことです。

あなたが家を売りたいとき、自分で買い手を見つけるのは大変ですよね。そこで、不動産屋さん(宅建業者)に「買いたい人を見つけてくれませんか?」とお願いします。不動産屋さんが「いいですよ、がんばります!」と承諾します。

この、「お客さん(売主や買主)と不動産屋さんとの間で結ぶ、仲介のお願いの約束」のことを、媒介契約と呼びます。

なるほど、ただの「お願い」じゃなくて、ちゃんと「契約」を結ぶんですね。

そうなんです。後で「言った・言わない」のトラブルにならないように、法律でガチガチにルールが決まっているんですよ。

この媒介契約には、大きく分けて3つの種類があります。「どれだけその不動産屋さんに強く拘束されるか(浮気できないか)」というレベルの違いだと思ってください。

3つの契約タイプ
ポイント
  • 一般媒介契約(いっぱんばいかい):一番自由。複数の不動産屋さんに同時にお願いしてもOK。
  • 専任媒介契約(せんにんばいかい):ちょっと厳しい。お願いできるのは1社だけ。浮気(他の業者への依頼)はダメ。
  • 専属専任媒介契約(せんぞくせんにんばいかい):一番厳しい。1社だけだし、自分で見つけた相手と取引するのもダメ
【重要】3つの契約の違いを整理しよう

ここからが試験の山場です。この3つの契約の違いを表にまとめました。試験では、この表のどこが穴埋めになっても答えられるようにするのが目標です。

項目 一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
依頼できる業者数 複数OK 1社のみ 1社のみ
自己発見取引(自分で相手を見つける) OK OK NG(不可)
契約の有効期間 制限なし 3ヶ月以内 3ヶ月以内
指定流通機構(レインズ)への登録 義務なし 7日以内 5日以内
業務報告の頻度 義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上

いかがでしょうか?右に行くほど(一般→専任→専属専任)、不動産屋さんの責任が重くなり、報告などの義務が増えていくのがわかりますね。

試験によく出る「自己発見取引」のひっかけ

よく狙われるのが「自己発見取引(じこはっけんとりひき)」です。これは、「親戚が買いたいと言ってくれた」など、不動産屋さんを通さずに自分で相手を見つけてくるパターンのことです。

ポイント
  • 専任媒介までは、自分で相手を見つけて契約してもOKです(不動産屋さんはちょっと残念ですが)。
  • しかし、専属専任媒介は、自分で見つけた相手でも、必ずその不動産屋さんを通して契約しなければなりません(手数料がかかります)。

「専任」とつくと全部ダメな気がしてしまいますが、「専任媒介」なら自己発見取引はOKという点をしっかり覚えておきましょう。

契約期間と更新のルール

次に、契約期間についてです。「一度頼んだら、一生その不動産屋さんに縛られるの?」と不安になりますよね。安心してください。ちゃんと期限があります。

有効期間は「3ヶ月」が基本

専任媒介と専属専任媒介の場合、契約期間の上限は3ヶ月です。もし「契約期間は6ヶ月ね!」と約束しても、法律の力で強制的に3ヶ月に短縮されます。

もし3ヶ月経っても家が売れなかったらどうなるんですか?

その場合は契約終了です。もし「まだこの業者に頼みたい」と思ったら、依頼者(お客さん)から「更新してください」と申し出る必要があります。

ここで重要なポイントがあります。「自動更新」はできません。「何も言わなければ勝手に更新される」という特約を結んでも、その特約は無効になります。必ず、依頼者からの申し出が必要です。これは、売れないのにダラダラ契約が続くのを防ぎ、お客さんが「やっぱり別の業者に変えようかな」と選べるようにするためです。

指定流通機構(レインズ)への登録義務

「指定流通機構」、通称レインズ。これは不動産屋さん専用の物件情報サイトのようなものです。ここに登録すると、全国の不動産屋さんがその情報を見られるようになり、買い手が早く見つかりやすくなります。

ここでも数字の暗記が必須です!登録期限は、契約を結んだ日の翌日から数えて以下の通りです(定休日はカウントしません)。

ポイント
  • 専任媒介7日以内
  • 専属専任媒介5日以内

「専属専任」の方が縛りが厳しい分、不動産屋さんは「5日以内」という超特急で登録して、必死に相手を探さなければならないわけです。

登録した後のことも忘れずに

レインズに登録したら、不動産屋さんは「ちゃんと登録しましたよ」という証明書(登録済証)を、遅滞なくお客さんに渡さなければなりません。

また、無事に契約が決まったときも、遅滞なくレインズに「売れました!」と通知する必要があります。これを忘れると、売れたはずの物件情報がずっとネットに残り続けてしまい、トラブルのもとになるからです。

報告義務と、最近の「デジタル化」

不動産屋さんは、「今こんな広告を出してます」「何件問い合わせがありました」という活動報告をしなければなりません。

ポイント
  • 専任媒介2週間に1回以上
  • 専属専任媒介1週間に1回以上

この報告は、メールでも口頭でもOKです。

【法改正ポイント】書類のデジタル化

最近の法改正で、重要な変更がありました。これまで紙で渡さなければならなかった「媒介契約書」や、先ほどの「レインズ登録済証」ですが、依頼者の承諾があれば、メールやPDFなどの電磁的方法(デジタル)で渡すことができるようになりました。

「書面じゃなきゃダメ!」という古い過去問に引っかからないように注意してくださいね。今は「承諾があればメールでもOK」です。

まとめ:今日覚えるべきは「数字」と「違い」

少し長くなりましたが、頭の中は整理できましたか?最後に、今日の学習で「ここだけは持ち帰ってほしい!」というポイントをまとめます。

ポイント
  • 依頼できる数:一般は複数OK、専任・専属は1社だけ。
  • 自己発見取引:専属専任だけがNG(専任はOK!)。
  • 有効期間:専任・専属は最長3ヶ月。自動更新は無効
  • レインズ登録:専任は7日、専属は5日(休日は除く)。
  • 報告義務:専任は2週間に1回、専属は1週間に1回。

この分野は、「専任は7日だっけ? 5日だっけ?」と数字がごちゃ混ぜになりやすいところです。おすすめは、トイレや冷蔵庫など目につく場所に、先ほどの表を貼っておくこと。毎日チラッと見るだけで、試験本番には「あ、あの表の右側に書いてあったな」と思い出せるようになりますよ。

基本事項の積み重ねが、合格への一番の近道です。焦らず、まずはこの「3つの違い」を完璧にすることから始めてみてくださいね。応援しています!