こんにちは!宅建の勉強、毎日お疲れ様です。「法令上の制限」という分野に入って、「漢字ばかりで嫌だなあ」と溜息をついていませんか?
私自身も、最初にテキストを開いたときは、あまりの用語の難しさに「これは無理かもしれない」と頭を抱えた記憶があります。でも、大丈夫です。一つひとつ、身近なものに例えていけば、必ず頭に入ってきますよ。
今日のテーマは「風致地区(ふうちちく)」です。
名前だけ聞くと難しそうですが、実はイメージさえ掴めれば、覚えることは非常に少ない「得点源」になる分野なんです。今日は、難しい法律の言葉を抜きにして、試験に出るポイントだけをギュッと絞って整理していきましょう。
まずは、細かい法律の定義を覚える前に、「風致地区って結局なに?」というイメージ作りから始めましょう。ここがズレていると、後の暗記が苦痛になってしまいます。
「風致(ふうち)」という言葉、普段の生活ではあまり使いませんよね。これは簡単に言うと、「自然の豊かな景色や、趣のある風景」のことです。
景色を守る地区、ということですか?
その通りです!例えば、京都の「嵐山」や鎌倉の古い街並みを想像してみてください。
もし、歴史あるお寺や緑豊かな山のすぐ隣に、派手なネオンが光る高層ビルや、真っ赤な看板の工場が建っていたらどうでしょうか?
せっかくの美しい景観が台無しになってしまいますよね。そうならないように、「このエリアでは、自然や景色の邪魔になるようなことはしないでね」と決めているのが風致地区なんです。
少しだけ試験っぽい話をしますね。この風致地区は、都市計画法という法律の中の「地域地区(ちいきちく)」というグループの一つです。
「地域地区」というのは、「この街をどう使うか」を決めたラベルのようなものだと考えてください。「ここは住むための場所」「ここは工場のための場所」といったラベルの一種として、「ここは景色を守るための場所」というラベル(風致地区)があるのです。
さて、ここからが今日一番の大事なポイントです。宅建試験で風致地区が出題されるとき、最も問われやすいのが「誰がルールを決めているか」という点です。
法律だから、国の法律で決まっているんじゃないんですか?
そこが引っかかりやすいポイントなんです。実は、風致地区の細かいルールは、国の法律ではなく「地方公共団体」が決めるんです。
これだけは、今日絶対に覚えて帰ってください。
風致地区内での建物の建て方や、やってはいけないことのルールは、地方公共団体の条例(じょうれい)で定められます。
なぜなら、景観というのは地域によって全然違うからです。京都には京都の守りたい景色があり、軽井沢には軽井沢の守りたい景色がありますよね。国が一律に「こうしなさい」と決めるよりも、その土地のことをよく知っている地方公共団体(都道府県や市町村)が独自に決めたほうが、良い街づくりができるからです。
試験でのひっかけパターン× 風致地区内の建築規制は、建築基準法で定められている。× 風致地区内の規制は、国土交通省令で定められている。◎ 風致地区内の規制は、地方公共団体の条例で定められている。
この「条例」というキーワードが出たら、すぐに「風致地区のことだ!」と反応できるようにしておきましょう。
もう少しだけ詳しく見ておきましょう。余裕があればで構いませんが、地方公共団体の中でも、規模によって担当が分かれています。
- 10ha以上の大きな地区:都道府県(または政令指定都市など)の条例
- 10ha未満の小さな地区:市町村の条例
「大きい地区は県が、小さい地区は市町村が面倒を見る」というイメージで大丈夫です。ただ、まずは最優先で「条例で決まる」という部分を固めてくださいね。
条例でルールが決まると分かりましたが、具体的にはどんなことが「ダメ」と言われるのでしょうか。試験では「許可が必要な行為」として問われることがあります。
風致地区内で、景色を変えてしまうような大きなことをするときは、前もって知事(または市町村長)の許可をもらう必要があります。
| 建物の建築 | 家の色やデザイン、高さなどが景観に合っているかチェックされます。 |
|---|---|
| 土地の形質の変更 | 宅地造成などで土を削ったり盛ったりすることです。自然の地形が変わってしまうからです。 |
| 木竹の伐採 | 木を切ることです。緑を守るための地区なので、勝手に木を切ってはいけません。 |
| 土石の採取 | 石や砂を掘り出すことです。これも地形が変わる原因になります。 |
自分の家の敷地にある木でも、勝手に切っちゃダメなんですか?
原則として許可が必要です。ただ、枯れた木を切るとか、ちょっとした手入れ程度なら大丈夫な場合が多いですよ。あくまで「景観が変わるような伐採」が対象です。
覚えるときは、丸暗記しようとせず、「それをやったら景色が変わってしまうか?」と考えてみてください。
- 家を建てる → 景色が変わる → 許可が必要
- 山を削る → 景色が変わる → 許可が必要
- 木を切り倒す → 緑が減って景色が変わる → 許可が必要
こう考えると、自然と答えが出てくるはずです。
お疲れ様でした!風致地区について、少しイメージが湧いてきましたか?
難しく考えすぎず、「美しい景色を守るための特別ルール」と捉えればOKです。最後に、今日これだけは覚えておきたいポイントを整理します。
- 風致地区は、自然の風景を守るための地区(地域地区の一つ)。
- 規制の内容は、法律ではなく「地方公共団体の条例」で定める(最重要!)。
- 建物を建てたり、木を切ったりするには、原則として「許可」が必要。
宅建試験の法令上の制限は、似たような言葉が多くて混乱しやすいですが、風致地区に関しては「条例」というキーワードが最大の武器になります。
過去問を見て、「風致地区」という文字を見つけたら、まずは選択肢の中に「条例」という言葉があるか探してみてください。それだけで正解できる問題も意外と多いんですよ。
一歩ずつ、確実に知識を積み重ねていきましょう。応援しています!

