こんにちは!宅建の勉強、今日もお疲れ様です。
テキストを開いて「法令上の制限」の分野に入ると、なんだか漢字ばかりで眠くなってしまいますよね。特に「都市計画法」は、私たちの生活に身近なはずなのに、法律の言葉で書かれると急にスケールが大きすぎてイメージしづらいものです。
「誰が計画を決めるの?」「知事?大臣?市町村?」と、主語が入れ替わって混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。私自身、勉強を始めたばかりの頃は、この「誰が何をするか」の違いが覚えられずに苦労しました。
でも、安心してください。ここは「原則と例外」そして「上下関係」さえイメージできれば、得点源にできる分野です。今日は、都市計画がどのように決まるのか、その手続きと重要な数字に絞って一緒に整理していきましょう。
まず最初に整理したいのが、「誰が都市計画を決めるのか(決定権者)」という点です。街づくりには、大きな道路を通すような大規模なものから、近所の公園の位置を決めるような小規模なものまで様々です。
都市計画を決めるのは、原則として「都道府県」または「市町村」です。この2つの使い分けは、計画の規模で判断します。
- 都道府県:広域的なもの、根幹となる大規模な都市計画(例:市街地開発事業予定区域など)
- 市町村:上記以外の、地域に密着した小規模な都市計画(例:地区計画など)
「大きなことは親(都道府県)が、小さなことは子供(市町村)が決める」というイメージを持っておくと分かりやすいかもしれませんね。
では、国のトップである国土交通大臣が決めるのはどんな時でしょうか。それは、「2つ以上の都府県にまたがる場合」です。
例えば、東京都と神奈川県にまたがる大きな都市計画を作る場合、片方の知事だけでは決められませんよね。喧嘩になってしまうかもしれません。そういう時は、国がリーダーシップを取って決定します。これは「都市計画区域の指定」の時と同じルールですので、合わせて覚えておくと効率的です。
ここで試験によく出るポイントがあります。「都道府県」が決めた計画と、「市町村」が決めた計画の内容が、もしバッティング(抵触)してしまったらどうなるのでしょうか?
正解は、「都道府県が定めた都市計画が優先」されます。
先ほどの親子の例で言えば、やはり親の決定の方が強いということですね。市町村の計画が無効になるわけではなく、「抵触する部分については、都道府県の計画に従う」という形になります。この力関係は試験で問われやすいので、しっかりチェックしておきましょう。
次に、実際に都市計画が決まるまでの「流れ」を見ていきましょう。ここには、試験でひっかけ問題として出されやすい「期間(数字)」や「用語」が隠れています。
いきなり役所が勝手に「ここに道路を作ります!」と決めるわけではありません。まずは原案を作ります。この時、必要があると認められる場合は、「公聴会(こうちょうかい)」を開くなどして、住民の意見を反映させる措置をとります。
特に、皆さんの身近なルールである「地区計画」の案を作る時は、必ず土地所有者などの意見を求めなければなりません。
ここが今回一番の重要ポイントかもしれません。都市計画の案ができたら、「こういう案ができましたよ」と世間に知らせます(公告)。そして、誰でもその案を見られるようにします(縦覧)。
では、いつまで見られるのでしょうか?また、文句がある人はいつまで言えるのでしょうか?
この2週間という期間中に、関係する住民や利害関係人は「意見書」を提出することができます。
案が固まったら、いよいよ決定です。決定する際には、都市計画審議会という会議を通すのですが、その前に「他の役所との話し合い」が必要です。ここで、都道府県と市町村で手続きに微妙な違いがあります。ここが非常にややこしいので整理しますね。
| 決定権者 | 相手 | 手続きの種類 |
|---|---|---|
| 都道府県が決定 | 国土交通大臣 | 国の利害に関係するなら協議・同意が必要 |
| 市町村が決定 | 都道府県知事 | 協議のみ(同意は不要) |
この違い、気づきましたか?都道府県が国の重要な案件に関わる時は、大臣の「同意(=許可)」が必要です。しかし、市町村が決定する時は、知事に「協議(=話し合い)」をするだけでよく、知事の「同意」までは不要なのです。
「市町村は知事の同意を得なければならない」という×問(バツもん)は、過去に何度も出題されています。「市町村は意外と自由度が高い」というイメージを持っておくと、このひっかけを回避できますよ。
手続きが終わって都市計画が決まったら、その旨を「告示」します。効力が発生するのは、「告示があった日」からです。「告示の翌日」ではないので、ここも細かいですが注意しておきたいですね。
最後に、近年よく出題される「提案制度」について触れておきます。都市計画は役所が決めるものですが、実は土地を持っている人たちから「こういう計画にしてほしい!」と提案することもできるのです。
誰でも彼でも提案できるわけではありません。以下の要件を満たす必要があります。
- 提案できる人:土地所有者、借地権者、NPO法人、UR(都市再生機構)など
- 対象エリア:一定規模以上(0.5ヘクタール以上)の一体的な区域
- 同意要件:対象となる土地の所有者等の人数の「3分の2」以上 かつ 土地面積の「3分の2」以上の同意
いかがでしたか?「都市計画」といっても、分解してみれば「誰が決めるか」「いつまでに見るか」「誰に相談するか」というシンプルなルールの積み重ねです。
最後に、試験直前にも見直せるように、今日の重要ポイントをまとめました。
- 優先順位:市町村と都道府県が食い違ったら、都道府県が優先。
- 縦覧期間:公告の日から2週間。この間に意見書が出せる。
- 市町村の手続き:知事に協議はするが、同意は不要。
- 効力発生:告示があった日から(翌日ではない)。
- 提案制度:土地所有者等の3分の2以上の同意が必要。
まずはこの5点だけでもしっかり頭に入れておけば、過去問の選択肢が驚くほど切れるようになります。
都市計画法は、最初はとっつきにくいですが、一度ルールを覚えてしまえば毎回同じようなところを聞いてくる「おいしい分野」でもあります。焦らず、一つひとつ知識を定着させていきましょう。応援しています!

