最近は経理の領域でもDXツールが増えてきて、請求書管理もシステム化が進んでいますよね。でも、中小企業にとっては高額なツールを導入するのはハードルが高いし、なんかやらなきゃいけないことが多すぎて、結局シンプルにまとめたい!というケースも多いはず…。
という事で今回、Excelで請求書をとりまとめ、仕訳や銀行振込用のCSVデータを簡単に作れるツールを作成してみました!いつものExcelで使えるから、すぐに導入・運用できます。
この記事では、使い方を詳しく解説します。記事の下部から作成したファイルをダウンロード可能なので、請求書管理をラクにしたい方はぜひ試してみてください!
目次
ツールの概要
今回作成したExcelツールは、請求書データを一元管理し、仕訳や振込データを自動で作成できるように設計しています。特に、中小企業や個人事業主の方に向けて、高額な会計ソフトを導入しなくても、日々の経理業務を効率化できる仕組みを目指しました。
具体的には、以下のような機能を備えています。
- 振込データの登録:請求書情報をExcel上に入力し、振込先や金額を一元管理します。
- 振込CSVデータの出力:銀行振込に対応したCSVファイルをワンクリックで作成します。
- 弥生会計CSVの出力:会計処理に必要なCSVを自動生成し、仕訳作業を効率化します。
これまで手作業だった作業での入力ミスを減らし、経理作業のスピードを大幅に向上させることができると思います。

準備
まずは、ツールを使うための簡単な準備を行います。
Excelのマクロを有効化
本ツールはマクロを利用しています。ファイルを開いた際に「マクロを有効にする」という警告が表示された場合は、有効化してください。
基本設定の確認
口座情報など、基本情報を入力します。
振込元の口座情報を設定する
「リスト」シートを開くと、振込元口座(自分の会社の口座)を登録する表があります。複数口座がある場合にも、各口座ごとにデータを作ることができるので、口座ごとにデータを入力して下さい。

取引先の口座情報を設定する
次に、取引先の口座情報をリストにしていきます。
「取引先データ」シートに取引先の口座情報を入力します。取引先が多い場合は、ネットバンキングで登録している口座情報をCSV出力し、該当の列にコピペしてリストを作成してください。

振込データの登録
設定が終わったら、いよいよ振込データを入力していきます!
①振込データを登録する
まずは、「振込日」に日付を入力しましょう。

日付を入力したら、「振込データ登録」ボタンをクリックすると、下の画像のような入力フォームが現れるので、上側の振込先検索で登録したい振込データの口座番号を検索します。

「振込先データ」シートに該当の口座が登録されていると、右側の検索結果に口座情報が表示されますので、今度は下の振込データ登録に検索した口座の、「データ№」を入力します。

「データ№」を入力したら、その他の項目を入力していきます。
支払元は「リスト」シートに登録した、自分の会社の支払元口座を選択します。
金額は、実際に支払う金額を入力します。
項目と摘要は、支払先の会社名や、どのような用途で支払うものかを記載します。会計データを出力する際に、この欄が摘要になります。
最後に入力者から自分の名前を選択し、「登録」ボタンを押すと登録完了です!

新しい振込先を登録する
振込先検索で口座番号を検索した時、「振込先データ」シートに口座情報が入力されていないと「新規登録してください」と表示されます。

この時に「新規登録」ボタンを押すと、振込先の情報を追加するフォームが開きます。

口座情報を入力して「登録ボタン」と押すと、「振込先データ」シートのリストに新たに登録されます。

仕訳に必要なデータを入力する
表を右側にスクロールすると、仕訳に必要なデータを入力する欄があります。

「仕訳」列に○をすると、その行の仕訳が出力されるようになるので、必要な情報を入力していきます。

勘定科目、補助科目には会計ソフトで使用している科目を入力します。
また、経過勘定を使用する場合は、計上日に日付を入力し、経過勘定科目と補助科目を入力します。
使用月を入力すると、摘要にその月数が入力されるようになります。
振込CSVデータの出力
すべてのデータの入力が終わったら、「振込用CSVデータ作成」をクリックすることでデスクトップにCSVデータが作成されます。

フォルダの中に、支払元の銀行ごとで振込データが作成されます。


このような感じでCSVデータが作成されます。
全銀形式のデータなので、ほとんどの銀行で使用できます!
後はネットバンキングの振込画面から、「振込データを外部ファイルから作成」でCSVをアップロードすれば、一瞬で振込データの登録が完了します!
また、「集計表更新」ボタンを押すと、「集計」シートのテーブルが更新されます。
振込データの突合等で活用してください。

弥生会計CSVの出力
「仕訳用CSVデータ作成」をクリックすることで、同じようにCSVデータが作成されます。

弥生会計の仕訳日記帳を開き、「ファイル」⇒「インポート」でCSVを選択し取り込むことで、あっという間に仕訳が完成します。
次月用へ更新する
その月の処理が無事終わったら、「次月更新」ボタンを押すことで次月用にシートを更新します。
ボタンを押す前に「振込先固定」と「金額固定」の列を確認します。

「振込先固定」に〇がある場合、次月更新を押した際に、その行がクリアされず残ったままになります。さらに、「金額固定」にも○がある場合、金額も固定されます。どちらも×だとその行は削除されて更新します。毎月固定で支払いがあるものについては、○を設定するようにしてください。

ボタンを押し、次月の振込日を入力し実行すると…。

次月用のシートに更新されました!
また、更新する前のシートの内容は、別のファイルでデスクトップに保存されるので、バックアップ用として保管してください。
ファイルのダウンロードはこちら
- 本ツールは無料で提供しておりますが、利用は自己責任でお願いいたします。
- 本ツールを使用したことによるいかなる損害についても、責任を負いかねますのでご了承ください。
- 必要に応じて、データのバックアップを取った上でご利用ください。
- 使用環境によっては正常に動作しない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
まとめ
今回作成したのExcelツールを活用すれば、請求書管理・振込処理・仕訳作業をすべてExcel上で完結することができます!
- 銀行振込の手間を削減したい!
- 仕訳作業を自動化し、経理業務を効率化したい!
- 高額な会計ソフトなしで、簡単に導入可能したい!
こんな課題を持っている経理さんにぴったりだと思いますので、ぜひ使用してみてください!