【宅建】建築確認は難しくない!申請から完了検査までの流れをストーリーで理解しよう

【宅建】建築確認は難しくない!申請から完了検査までの流れをストーリーで理解しよう 宅建

こんにちは。宅建の勉強、順調に進んでいますか?

今回は、建築基準法の中でも特に出題されやすい「建築確認の手続き・流れ」についてお話しします。

「建築確認」という言葉を聞くだけで、なんだか難しそうな書類仕事のイメージが湧いて、身構えてしまう方も多いのではないでしょうか。私も勉強を始めた頃は、「申請」だの「主事」だの「検査」だの、似たような言葉が続いて頭が痛くなったのを覚えています。

でも、安心してください。この分野は、一度全体の「ストーリー(流れ)」を掴んでしまえば、実は得点源にしやすいラッキーな箇所なんです。今日は、工事を始める前から建物が完成して使い始めるまでの流れを、紙芝居を見るような感覚で整理していきましょう。

数字の引っかけ問題への対策も紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

建築確認とは?手続きの全体像をイメージしよう

まずは、細かい数字を覚える前に、「そもそも建築確認って何のためにやるの?」という全体像をざっくり掴んでおきましょう。

いきなり条文や数字を覚えようとすると、混乱してしまいます。まずは「誰が」「何のために」やるのかをイメージするのがコツです。

家やビルを建てるとき、誰もが好き勝手に危険な建物を建ててしまったら困りますよね。地震で倒れそうな家や、火事になったら逃げられないようなビルが街中にあったら大変です。

そこで、「工事を始める前に、その設計図が法律(建築基準法など)を守っているかチェックする」必要があります。これが建築確認です。

大きな流れは以下のようになります。

ポイント
  • 申請:建築主が「こんな建物を建てます」と書類を出す
  • 審査:建築主事(チェックする人)が中身を確認する
  • 確認済証の交付:OKが出たら「確認済証」をもらう
  • 工事着手:ここからやっと工事スタート!
  • 検査:工事中や完成後に、図面通りかチェックを受ける
  • 使用開始:合格したら建物を使えるようになる

この流れの中で、試験によく出る「落とし穴」がいくつかあります。ここからは、そのポイントを順番に見ていきましょう。

工事を始める前の「建築確認申請」重要ポイント

まずは工事前の手続きです。ここは「誰の同意が必要か」と「審査にかかる期間」がよく問われます。

建築確認の申請と「消防長の同意」

建築主(建てる人)は、工事に着手する前に、「建築主事」または「指定確認検査機関」に確認申請書を提出します。ここで一つ、非常に重要なルールがあります。

建築主事は、建築確認の処分(OKを出すこと)を行う前に、所在地所轄の消防長の同意を得る必要がある。

建物が完成した後、もし火事になったときに消火活動がスムーズにできるか、消防のプロの意見を聞いておく必要があるんですね。

ここで注意したいのは、同意を求めるのは「建築主(あなた)」ではなく、「建築主事(役所の人など)」だという点です。「建築主が消防長の同意を得てから申請する」というような引っかけ問題が出ることがあるので、主語を間違えないようにしましょう。

審査期間の「7日」と「35日」を区別する

申請を出した後、どのくらいで審査結果が出るのでしょうか?これは建物の規模によって決まっています。

ポイント
  • 大規模建築物など:申請受理から35日以内
  • それ以外の一般的な建築物:申請受理から7日以内

普通の住宅などは7日、大きなビルなどはチェックが大変なので35日かかるとイメージしておけば大丈夫です。無事に審査が通り、建築基準関係規定に適合していると認められると、「確認済証」が交付されます。

これでやっと、工事をスタートできます!

工事中から完成後の「検査」の流れと期限

工事が始まったら終わりではありません。「ちゃんと図面通りに作っているか?」のチェック(検査)が入ります。ここが一番数字がややこしい部分ですので、整理していきましょう。

工事現場への表示義務

まず、工事が始まったら、施工者は工事現場の見やすい場所に、「建築確認があった旨」を表示しなければなりません。街中で工事現場のフェンスに白い四角い看板がかかっているのを見たことがありませんか?あれのことです。

工事現場の看板は、通行人のためだけでなく、「ちゃんと許可をもらって工事していますよ」という証明でもあるんですね。
中間検査と完了検査の申請期限

工事が進むと、途中で「中間検査」が必要な場合があります(自治体や建物の規模によります)。そして、建物ができあがったら必ず「完了検査」を受けます。

ここで試験に出るのが、「申請」と「検査」の日数制限です。少しややこしいので、表で整理してみました。

種類 申請のタイミング(建築主) 検査の実施期限(建築主事)
中間検査 工程終了後、4日以内に到達 申請受理から4日以内
完了検査 工事完了後、4日以内に申請 申請受理から7日以内

ポイントは以下の2点です。

ポイント
  • 申請はどちらも「4日以内」中間検査も完了検査も、建築主のアクションは「4日」という数字がキーになります。(※厳密には中間検査は「到達するように」、完了検査は「申請する」という違いがありますが、初学者のうちはまず「申請系は4日と縁がある」と覚えておくと楽です)
  • 検査実施の期限が違うここが重要です。中間検査は4日以内ですが、完了検査は7日以内に実施しなければなりません。完了検査の方が全体を見るので、少し時間がもらえる(7日)とイメージすると覚えやすいかもしれませんね。

完了検査に合格すると、晴れて「検査済証」が交付されます。

建物の使用開始時期とその例外

最後に、「いつから建物を使っていいの?」という点です。

原則として、「検査済証」の交付を受けた後でなければ、その建物を使用することはできません。勝手に使い始めてはいけないのですね。

ただし、これにも例外があります。特に「特殊建築物」や「大規模建築物」の場合でも、以下の2つのケースでは、検査済証をもらう前でも使用できます。

ポイント
  • 仮使用の承認を受けたとき:特定行政庁や建築主事が「仮に使ってもいいよ」と認めた場合。
  • 申請受理から7日を経過したとき:完了検査の申請をしたのに、建築主事から7日経っても何の連絡も検査も来ない場合。(役所側の都合で待たされているなら、使ってもOKということです)

この「7日経過」の例外も、過去問で何度か見かけたことがある論点です。「原則はダメだけど、例外があるんだな」と頭の片隅に置いておきましょう。

まとめ:今日の「これだけ覚えよう」

建築確認の手続きは、流れさえ掴めば決して怖くありません。今日の内容を、試験直前でも思い出せるように要点だけまとめました。

ポイント
  • 消防長の同意:建築確認の前に、建築主事が同意を得る(建築主ではない!)
  • 確認審査の期間:普通は7日、大規模は35日
  • 完了検査の期間:申請は完了から4日以内、検査実施は受理から7日以内
  • 使用開始:原則は検査済証の後。ただし「仮使用承認」や「7日経過」ならOK

特に「4日」と「7日」の数字は、どっちがどっちだったか迷いやすい部分です。「申請を急ぐ(4日)、最後の検査はじっくり(7日)」のように、自分なりの言葉で理由付けしておくと忘れにくくなりますよ。

一気に全部覚えようとせず、まずは流れをイメージすることから始めてみてくださいね。今日も勉強お疲れ様でした!