【宅建・土地区画整理】事業の流れと建築制限を解説!初学者が覚えるべきポイントはココ!

【宅建・土地区画整理】事業の流れと建築制限を解説!初学者が覚えるべきポイントはココ! 宅建

こんにちは!宅建試験の勉強、順調に進んでいますか?

法令上の制限の分野に入ると、「土地区画整理法」という漢字ばかりの法律が出てきて、思わずテキストを閉じたくなってしまうこと、ありますよね。

私自身も最初は「換地? 仮換地? 何が違うの?」と混乱してしまい、この分野を捨てようかと悩んだ時期がありました。

でも、安心してください。土地区画整理法は、条文すべてを丸暗記する必要はありません。試験によく出る「流れ」と、その中で発生する「制限」のポイントさえ押さえれば、十分に得点源にできるんです。

今回は、複雑に見える「土地区画整理事業の流れ」と、その間に発生する「建築制限」について、初心者の方にもイメージしやすいように解説していきますね。

まずは全体像!土地区画整理事業の大まかな流れを理解しよう

細かいルールを覚える前に、まずは「土地区画整理事業」がどういう手順で進んでいくのか、全体像をざっくりとイメージしてみましょう。

土地区画整理事業とは、簡単に言えば「ぐちゃぐちゃした土地を整理して、道路や公園を整備し、きれいな街に作り変える工事」のことです。

街全体をリフォームするような大規模な工事なんですね。手順も多そうです…。
そうですね。でも、大きく分けると「計画を立てる」→「工事中の場所を決める」→「工事完了して新しい土地を渡す」という3ステップなんです。

試験対策として押さえておきたい大まかなフローは、以下の通りです。

ポイント
  • ① 事業計画等の作成「どんな街にするか」という計画を立てます。
  • ② 事業計画等の認可等の公告知事などから「この計画でやっていいよ(認可)」と許可をもらい、それをみんなにお知らせ(公告)します。ここが実質的なスタートです。
  • ③ 換地計画の作成・認可工事が終わった後に、誰にどの土地(換地)を割り当てるかという計画を立て、認可をもらいます。
  • ④ 仮換地の指定・工事工事中は元の土地が使えなくなるので、「工事の間はここを使ってね」という仮の土地(仮換地)を指定します。そして実際の工事が進みます。
  • ⑤ 換地処分工事がすべて終わったら、「今日からここがあなたの新しい土地です」と正式に処分(通知)します。
  • ⑥ 登記最後に登記簿の書き換えを行って完了です。

この流れの中で、特に試験で問われやすいのが、「いつからいつまで、どんな制限がかかるのか」という点です。

次で詳しく見ていきましょう。

試験に出る!工事中の「建築制限」とは?

さて、ここからが今日の本題であり、試験の頻出ポイントです。

土地区画整理事業が始まると、そのエリア内では勝手に建物を建てたり、土地をいじったりすることが制限されます。

なぜでしょうか?

えっと…、せっかく計画を立てて工事をしようとしているのに、勝手に新しい家を建てられたら邪魔になるからですか?
その通りです!「ここに道路を通す予定なのに、急に家が建っちゃった!」なんてことになったら、工事が進まなくなりますよね。

そのため、事業の邪魔にならないよう、一定の期間中は「知事等の許可」がないと特定の行為ができなくなります。

これを「建築行為等の制限」と呼びます。

建築制限がかかる「期間」はいつからいつまで?

この制限がかかる期間は、先ほどの流れで言うと以下の間です。

つまり、「事業が正式にスタートした日」から「すべてが終わって新しい土地が確定する日」までずっと、ということになります。

試験では「仮換地の指定の日から」といったひっかけ問題が出ることがありますが、正しくは「認可の公告の日から」です。スタート時点から制限がかかると覚えておきましょう。

許可が必要になる「3つの行為」

では、具体的にどんなことをするときに許可が必要なのでしょうか?

条文では「事業の施行の障害となるおそれがある」ものとして、以下の3つが挙げられています。

ポイント
  • 土地の形質の変更(例:土地を掘り返したり、盛土をしたりすること)
  • 建築物・工作物の新築・増改築(例:家を建てたり、リフォームで増築したりすること)
  • 移動の容易でない物件(重量が5トンを超えるもの)の設置・堆積(例:巨大な岩や資材を積み上げておくこと)

特に注意したいのが3つ目の「5トンを超えるもの」という数字です。

「移動が簡単じゃない重いものをドスンと置かれたら、どかすのが大変で工事の邪魔になるよね」とイメージしてください。

逆に言えば、5トン以下のすぐに動かせるようなものであれば、許可は不要ということです。

許可をもらうのは誰?違反したらどうなる?

「どうしても家の増築が必要になった!」という場合、誰に許可をもらえばいいのでしょうか。

正解は、「都道府県知事等」です(市の区域内で行われる場合は市長)。

ここで間違えやすいのが、「施行者(工事をする人)」の許可ではないという点です。土地区画整理組合が工事をしていても、許可を出すのはあくまで行政(知事など)です。

ただし、知事が許可を出す際には、施行者の意見を聴かなければならないというルールがあります。「これ許可しても工事の邪魔にならない?」と確認するわけですね。

違反した場合のペナルティ

もし、知事の許可を得ずに勝手に家を建てたり、許可の内容と違う工事をしてしまった場合はどうなるのでしょうか。

この場合、知事は違反者に対して以下のことを命じることができます。

ポイント
  • 原状回復命令(元の状態に戻しなさい)
  • 移転・除却命令(その建物をどかしなさい、壊しなさい)

「やったもの勝ち」にはならず、厳しく取り締まられることになります。それだけ、スムーズな街づくりには協力が必要ということですね。

土地区画整理法・建築制限のまとめ

いかがでしたか?土地区画整理法は、漢字が多くて難しそうに見えますが、やっていることは「街づくりの工事をスムーズに進めるためのルール」です。

今日お話しした内容の中で、試験日までにこれだけは覚えておいてほしいポイントを整理しました。

このまとめを見れば、今日の復習はバッチリです!

【今日の覚えるべきポイント】

ポイント
  • 建築制限の期間は、「認可等の公告の日」から「換地処分の公告の日」まで
  • 制限されるのは、①土地形質の変更、②建築物の新築・増改築、③重量5t超の物件の設置・堆積
  • これらの行為をするには、「都道府県知事等」の許可が必要(届出ではない!)。
  • 違反した場合は、原状回復や除却を命じられることがある。

この「期間」と「許可が必要な行為」の組み合わせは、過去問でも繰り返し問われている超重要論点です。

まずはこの基本をしっかりと頭に入れて、過去問の該当箇所を解いてみてください。「あ、これ知ってる!」と自信を持って解けるはずですよ。

一歩ずつ、合格に近づいていきましょうね。