こんにちは!宅建試験の勉強、毎日お疲れさまです。
民法の勉強をしていると、漢字の画数が多い専門用語がいきなり並んで、「うっ…」と固まってしまうこと、ありませんか?私も勉強を始めたばかりの頃は、テキストを開くたびに眠気と戦っていました。その気持ち、痛いほどよくわかります。
今日取り上げるテーマは「連帯債務(れんたいさいむ)」です。
「絶対効」とか「相対効」といった難しそうな言葉が出てきますが、実はここ、「たった4つのキーワード」さえ覚えてしまえば、確実に点数が取れるラッキーゾーンなんです。法律の細かい理屈は抜きにして、試験でどう問われるのか、どこを覚えれば勝ちパターンに持ち込めるのかを一緒に整理していきましょう。
今日の記事を読み終わる頃には、「なんだ、連帯債務って意外とシンプルじゃん!」と自信を持ってもらえるはずです。ぜひ最後までお付き合いくださいね。
いきなり難しいルールに入る前に、まずは「連帯債務」がどんな状況なのか、具体的なイメージを持っておきましょう。これを知っておくと、この後の話がスッと頭に入ってきます。
例えば、Aさん、Bさん、Cさんの3人が共同で、売主から3,000万円の建物を買ったとします。この時、3人が「連帯債務者」になると、どのような責任を負うことになるのでしょうか?
普通に考えると、「3人なんだから、1人1,000万円ずつ払えばいいんじゃない?」と思いますよね。でも、連帯債務の世界はもっと厳しいんです。
売主(債権者)は、とっても強い権利を持っています。
つまり、「誰がいくら負担するかは内輪の話であって、売主には関係ない。誰でもいいからとにかく全額払ってくれればそれでいい」という仕組みなんです。売主からすれば、お金持ちのAさん一人を狙い撃ちして回収できるので、とりっぱぐれるリスクが減りますよね。これが連帯債務の基本の形です。
ちなみに、こうした法律用語の基礎については、こちらの記事で「善意・悪意」などの用語も解説していますので、あわせて読んでみてください。
さて、ここからが今日の本題です。宅建試験では、「連帯債務者の一人に起きた出来事が、他のメンバーにも影響するかどうか」がよく問われます。
例えば、Aさんが「借金があることを認めました(承認)」。この時、何もしていないBさんやCさんにも、「借金を認めた効果」が及ぶのか? という問題です。
ここで登場するのが「相対効(そうたいこう)」と「絶対効(ぜったいこう)」という言葉です。
まず大原則として、連帯債務は「相対効」が基本です。「相対」という言葉は、「当事者同士だけの関係」というイメージを持ってください。
【相対効のルール】ある一人の債務者に生じた事由(出来事)は、他の連帯債務者には影響しない。
具体例を見てみましょう。
Aさんが売主に対して「確かに借金があります」と認めました(承認)。これによってAさんの時効は更新(リセット)されますが、BさんとCさんの時効は更新されません。BさんやCさんは「Aさんが勝手に認めただけで、俺たちは関係ないよ」と言えるわけですね。
売主がAさんに対して「金払え!」と裁判上の請求をしました。これも、Aさんには効果がありますが、BさんとCさんには何の影響もありません。昔の民法ではここが違ったのですが、今は「請求も相対効」になったので、ここをひっかけ問題として出す可能性があります。注意しましょう!
Aさんだけ時効期間が過ぎて、時効が完成しました。Aさんは借金を払わなくてよくなりますが、BさんとCさんの借金はなくなりません。他の人は変わらず全額の責任を負い続けます。
時効の仕組みについては、こちらの記事で「取得時効と消滅時効」について詳しく解説していますので、苦手な方はチェックしておいてくださいね。
売主が「Aさん、あなたはもう払わなくていいよ」と免除しました。Aさんはラッキーですが、BさんとCさんの債務は消えません。残りの全額を負担し続けます。(※負担部分などの細かい計算はありますが、初学者の段階では「免除は相対効(他の人には影響しない)」と覚えておけばOKです)
原則は「他の人に影響しない(相対効)」でした。しかし、例外的に「誰か一人に起きたことが、他の人にも影響する(絶対効)」パターンが4つだけあります。
宅建試験では、この4つさえ暗記しておけば、残りはすべて相対効と判断できるので、答えが出せます。ここが今日の最重要ポイントです!
【絶対効の4つ】弁済(べんさい)相殺(そうさい)更改(こうかい)混同(こんどう)
これらはすべて、「そもそも借金そのものが消えてなくなるような出来事」です。借金自体が消えるのだから、他の人にも影響するのは当たり前ですよね。
これは一番わかりやすいですね。Aさんが全額支払いました(弁済)。借金は消滅したので、当然、BさんもCさんも支払わなくてよくなります。「誰かが払えば、みんな助かる」というわけです。ちなみに、誰かが代わりに払った後の「求償(あとで割り勘請求すること)」については、こちらの記事(代位弁済と求償の仕組み)も参考になります。
Aさんが、逆に売主に対して同額のお金を貸していたとします。Aさんが「チャラにしよう(相殺)」と言えば、借金は消えます。借金が消えたので、BさんもCさんも支払わなくてよくなります。
【重要ポイント】もしAさんが相殺できる権利を持っているのに、相殺せずに黙っていたら?BさんやCさんは、Aさんの負担部分の限度で「Aの代わりに相殺するよ(履行を拒む)」と主張できます。このあたりは少し細かいですが、「相殺は絶対効」とまずは覚えましょう。
あまり聞き慣れない言葉かもしれません。「更改」とは、古い契約を破棄して、新しい契約を結び直すことです。例えば、建物の代金3,000万円を払う代わりに、「別の土地を渡す契約」に切り替えたような場合です。元の借金契約は消滅するので、他の連帯債務者も元の債務から解放されます。
例えば、Aさんが売主(父)の唯一の相続人だったとします。売主が亡くなってAさんが相続すると、Aさんは「債務者」でありながら「債権者」にもなります。自分で自分に請求することになるので、債権は消滅します。これを「混同」といいます。債権自体が消えるので、BさんもCさんも債務を免れます。
いかがでしたか?「連帯債務」は複雑そうに見えますが、覚えるべきことは非常にシンプルです。
最後に、今日のポイントを整理します。試験直前に見直すメモとして使ってくださいね。
- 連帯債務は、債権者が「誰にでも全額請求できる」強力な権利。
- 原則は「相対効」。(請求・承認・時効・免除などは、他の人に影響しない!)
- 例外は4つの「絶対効」だけ。「弁済・相殺・更改・混同」(これらは他の人にも影響する!)
- 試験対策としては、この4つの絶対効だけ暗記して、それ以外は相対効と判断するのが一番効率的!
民法の勉強範囲は広いですが、こうして「例外の数少ないほう」を確実に覚えるのが合格への近道です。「弁済、相殺、更改、混同」…この4つを呪文のように唱えて、しっかり頭に入れておきましょう!
焦らず、一つひとつ知識を積み重ねていけば、必ず合格点に届きます。今日の勉強が、あなたの合格への一歩になりますように。応援しています!

